雑談が苦手というわけでなくても、共通の話題が見つからない相手と一緒になった時、沈黙の気まずさに耐えるのは、とても苦痛です。生来の人見知りで「緊張しい」だという人気ラジオDJの秀島史香さんは、「とにかく見たまま喋る」という方法を実践しているそうです。秀島さんが最も大事にしているのは、いかに相手と自分にとって「いい空気をつくる」かということ。そのために20年のDJ経験の中で培ったコミュニケーション術を自著『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則』でも明かしています。ここでは、その中から、気まずさを一気に払拭できる簡単な会話のテクニックをご紹介します。
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日ごろのコミュニケーションにおいてよくある「今、気まずい!」シーンの代表格。それは、上司や近すぎず遠すぎずの誰かと、期せずして同じ空間になってしまったとき。
たとえば、隣人とマンションのエレベーターの中に二人きり。
先輩社員と休憩室で二人きり。
帰る方向がずっと同じ上司と駅のホームでバッタリ。
気まずい、何を喋ろう。そんなときでも焦らなくて大丈夫。ちょっとした会話の糸口は、実はたくさん転がっています。
話題の見つけ方には無限の切り口があります。天気や最新のニュース、話題のテレビ番組など、いろんなことが言われますが、相手との共通項を探すのが手っ取り早いと私は思います。
まずは、相手が身につけているもの。「もしかして時間をかけて選んだものじゃないかな」「こだわりのあるものではないかな」、そういうものを探します。その人の趣味や好きなものが反映されているものは、話のきっかけにしやすいでしょう。
ただ、その切り出し方には注意が必要です。「いくらぐらいするの?」「誰かからのプレゼント?」など、プライベートに一気に踏み込むような質問は、相手が自分から口にするまではしません。芸能レポーターではないのですから。
それよりも、それを見て自分がどう思ったかを、シンプルに伝えるほうがスマートです。
「そのストール、色がとてもキレイですね」
「ふわふわしていて手触りが良さそうですね」
こんなふうに褒めてもらったら、「ありがとう。実は旅先で見つけて買ったものなの」なんて、相手にちょっとした情報をつけ加えて返したくなりませんか?