オーストラリア戦は勝てば出場決定だ。勝つ。それ以外に考えることはない。甘い香りに惑わされたくないところだ。

 試合の条件は整理できた。もうひとつ、周辺環境も確認しておこう。

 主審を務めるのはイランのアリレザ・ファガニ氏。もう一方のA組に属するイランから主審が派遣されるのは、ごく自然な決定だ。

 ファガニ氏はリオ五輪決勝のブラジル対ドイツで主審を任されている、評価の高いレフェリーだ。今年のコンフェデレーションズカップ準決勝、ポルトガル対チリでも笛を吹いている。ウズベキスタンのラフシャン・イルマトフ氏ほどの知名度はないが、力量に疑いはない。日本代表の試合では昨年の2次予選、日本対シリア(5-0)で主審を務めた。また対戦相手との関連では、最終予選のオーストラリア対イラク(2-0)で笛を吹いており、オーストラリアの試合は2度目となる。

 審判に問題はない。逆に気になるのは天気だ。31日の埼玉スタジアム周辺は、雨の予報になっている。多少の雨なら気温が下がって運動量が増し、ボールも芝の上をよく転がるので好材料だ。この暑い8月に気温20度前後でプレーできるのはありがたい。

 しかし、ピッチコンディションに影響を及ぼすほど強く降れば、視野を保ちづらくなったり、体力を奪ったり、あるいは俊敏なステップワークを阻害する要因になり得る。基本的に雨中のサッカーはフィジカル有利に傾きがちなので、それは日本にとってはありがたくない。

 幸い、試合時間の頃には雨の勢いは弱まる予報だが、昼間は多く降るようだ。それがどれだけ環境に影響を与えるか。さまざまな条件、環境にフィットしながら、日本代表は最高の準備をしてほしい。(文・清水英斗)