――やっぱり不安になりました……。

 ただ、マンションに住んでいるとメリットもあります。文字通り、同じ屋根の下に住んでいる居住者同士で助け合う(共助)ためのコミュニティを築きやすいのです。

 実際に、東日本大震災のときには、電気・水道・ガスが停止している状況でも、居住者が力を合わせ、安否確認に始まり、非常用水栓からの給水活動、防災備蓄品の配給、そして炊き出しまでを迅速に実施していたマンションがありました。これは日ごろのコミュニケーションや防災訓練の成果であり、被災後の苦しい日々を乗り越えていく上で大きな力になります。また、こうした災害時の体制づくりをサポートすることが、管理会社の役割だと思っています。

――マンションでの一人暮らしも、工夫次第で力になりますね。

 大地震がいつ起きるかは、残念ながら予測できません。しかし、備えることで復興に向けた一歩を速やかに踏み出すことができます。自助と共助をテーマに、ご近所の皆さんで一度、お話をされることをおすすめします。(ライター・神谷太郎)