大谷は、今シーズンの「Jリーグ最高MF」に値するだろう。攻守両面で気が利き、左右蹴れる高い技術を持ち、キャプテンシーにも優れる。手塚康平ら若手の才能を“触発”しており、長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)のバックアップとしては、彼以上の適任者はいない。

 Jリーグのレベルは決して低くない。そこで結果を出している選手を適切に使えるか。代表監督にはその手腕も求められる。Jリーグ以外では、スペイン2部ジムナスティック・タラゴナのCB鈴木大輔も代表に呼ばれるべきで、厳しい戦いを生き抜いている。

 ただし、今は火急のときである。決戦は乾坤一擲。ハリルホジッチが今まで呼んできたメンバーの奮闘が望まれる。

小宮良之
1972年生まれ。スポーツライター。01~06年までバルセロナを拠点に活動、帰国後は戦うアスリートの実像に迫る。代表作に「導かれし者」(角川文庫)、「アンチ・ドロップアウト」3部作(集英社)、「おれは最後に笑う」(東邦出版)など。3月下旬に「選ばれし者への挑戦状」(東邦出版)を刊行