こうした状況を改善すべく、ベイスターズは7月20日、「やきゅうみらいアクション」という野球振興プロジェクトを始めると発表した。目的は子どもたちに野球をプレーする楽しさを伝え、野球の中長期的な発展につなげることにある。

 具体的には、ティーボール(簡単に説明すると、ピッチャーが投げる代わりにティー台に置いたボールを打って行う野球のようなゲーム)に一部球団ルールを加えた「BTボール」の普及、横浜市内の幼稚園や保育園児を招いてのBTボールの大会開催、幼稚園や保育園への訪問強化(年60回から100回へ)、そして小学校体育授業の訪問回数増加(年30回から100回へ)と、その対象学年を高学年(4〜6年生)から低学年(1〜2年)に変更することだ。

 7月20日の会見後には幼稚園児によるデモンストレーションが横浜スタジアムで行われ、参加した子どもたちは楽しそうに走り回っていた。球団OBで、審判を務めた三浦大輔氏は「子どもたちが、打つ、投げる、走ると楽しんでいる姿を見られてうれしかった。(普及は)これからが楽しみ」と話している。

 一方で岡村社長は、「各球団それぞれが野球振興の取り組みをしています。それが成熟してくれば、球団の拠点以外の地域をどうしていくかは、NPBであったり、各リーグであったり、全体で考えるところは当然あると思います。(フランチャイズの)現場を持っている球団がそこでしっかりやって、効果的な取り組みを発見し、それを共有していけばいい」と今後の見通しを語った。

 実際、プロ野球の各球団はこうした取り組みを行っており、例えば埼玉西武ライオンズは埼玉県中学硬式野球のナンバーワン決定戦として行ってきた「ライオンズカップ」を今年、模様替えすることを発表した。「将来の夢に向かって一生懸命努力している」「地域の活動に積極的に参加、貢献している」などのチームを、埼玉に加えて栃木、群馬、茨城からも選抜し、“実力ナンバーワン”ではなく“野球振興”という観点を強めて開催することにした。プロ野球選手と同じフィールドでプレーする機会を提供し、野球人気アップ=競技人口増加につなげようという狙いがある。

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