最初は頼もしいお嫁さんに喜んでいたけど…(※写真はイメージ)
最初は頼もしいお嫁さんに喜んでいたけど…(※写真はイメージ)

 嫁姑のいさかいは古来つきることがない。しかし、昨今では「嫁いびり」など過去の話で、我がもの顔でふるまい、家族を振り回す“毒嫁”が急増中だ。女性向け健康・ライフスタイル誌『ゆとりら 夏号』の特集「聞いてちょうだい ウチの毒嫁」で取材した、共働き息子夫婦・孫と近居で暮らす東京都の女性(59歳)の体験をお届けする。

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 息子の嫁は銀行に勤めるバリバリのキャリアウーマン。のほほんとした息子に、なんでこんなしっかりしたお嫁さんが来てくれたのだろう、と不思議でもあり、頼もしいお嫁さんに喜んでもいました。

 昨年の春、嫁は育休を終えて職場復帰。スーツを着て出掛ける嫁は本当に充実感に満ち、イキイキとしていました。息子も嫁の職場復帰を喜び、私たち家族もみんなで応援していたのです。ところが、職場復帰してすぐに息子と1歳の孫が毎朝我が家に来るようになりました。「朝ごはんを食べさせて」というのです。聞くと、嫁は出かける支度に忙しく、朝食を作る余裕がないというのです。さらに、「実家が近いのだから、あなたの大好きなお母さんの朝ごはんの方がいいでしょう」と言われたのだとか。息子はまだしも、赤ちゃんまでお任せとは、ちょっと驚きました。

 それでも、息子は「おいしい、おいしい」と朝食を食べてくれて、会社に出かけます。孫も離乳食をおいしそうに食べてくれるので、それはそれで私も毎朝が楽しみに。しかし、徐々に“家事のお願い”がエスカレートしてきたのです。

 嫁は仕事を終え、子どもを迎えに来るとそのまま夕飯を食べていくようになりました。食卓に座り、スマホを見ているだけで手伝うことはありません。食後は「ごちそうさま~、お義母さんのご飯、おいしかった!」と言って、片付けもせずに帰ります。

 そのうち、息子が洗濯ものを持ってくるようになりました。「一緒に洗ってくれていいから」と言うのです。その時に、はっきりと断ればよかったのですが、洗濯までしてあげたら嫁の要求はさらにエスカレート。ある日、電話で「週末にお客さんが来るので、金曜日に掃除をしておいてほしい」と言うではありませんか。呆れて物が言えません。おまけに食材の買い物まで事細かに指示があり、完全に家政婦扱いです。さすがにそれはと思い、息子に話しました。

 そうしたら、もっと驚く事態に!

嫁がうちに来たときにこう言ったのです。「お義母さんうちでバイトしませんか? お手伝いさんとして時給払います」。

 はっきりとお断りしたのは言うまでもありません。(構成/島田ゆかり)