巨人・菅野智之(左)とDeNA・桑原将志(c)朝日新聞社
巨人・菅野智之(左)とDeNA・桑原将志(c)朝日新聞社

 観測史上最多タイとなる月間8個の台風が発生した7月。オールスターを挟んだ夏到来のペナントレースを“熱く”沸かせた男は誰か?今回は7月のセ・リーグ月間MVPを予想したい。

【セ・リーグ投手部門】
菅野智之(巨人
 異論なしだろう。7月無傷の4連勝を飾った菅野智之(巨人)の受賞が確実だ。

 7月5日の広島戦(マツダ)、11日のヤクルト戦(東京ドーム)、そして後半戦開始後の22日のDeNA戦(横浜)、29日のDeNA戦(東京ドーム)と4試合に先発して4勝0敗、防御率0.31。29日のDeNA戦の8回1死1、3塁から、ロペスに対して今季初の暴投で1失点。惜しくも昨年4月以来自身2度目の月間防御率0.00の偉業達成は逃したが、7月は計29イニングを投げて1失点のみでイニング数を上回る30奪三振に、わずか3四球。余裕たっぷりの内容でチームを勝利に導いた。

 このハイパフォーマンスで、勝ち星をハーラー単独トップの11に伸ばし、防御率もチームメイトの田口麗斗を抜いてリーグトップの防御率1.99。2014年3・4月、2016年3・4月に続き、今年の5月にも2度の完封を含む3勝を挙げて自身3度目の月間MVPに輝いた菅野だが、自身通算4度目&自身初の1シーズン2度目の表彰もほぼ間違いなし。日本のエースは、夏場を迎えてさらに凄みを増している。

【セ・リーグ打者部門】
桑原将志(DeNA)
 ハマのリードオフマン、24歳の桑原将志(DeNA)が7月の月間MVPの最有力候補になっている。

 まさに“覚醒”と呼ぶにふさわしい1カ月だった。6月を終えて打率.255だった男が、7月1日の巨人戦(東京ドーム)で6号ソロ&7号満塁弾を放つと、翌2日も3安打猛打賞をマーク。7日からの中日戦(ナゴヤドーム)でも2試合連続本塁打&猛打賞を含めて3試合で8安打の大暴れ。19日のヤクルト戦(横浜)で月間5度目の猛打賞をマークして見せた。

 オールスターを挟んだ後半戦でややペースを落としたが29日の巨人戦(東京ドーム)で2安打をマークし、この時点で85打数35安打の月間打率.412。翌30日の巨人戦(東京ドーム)、7月最後の1試合で5打数無安打に終わって惜しくも月間打率4割超は逃したが、21試合でリーグトップの打率.389をマーク。同2位の田中広輔(広島)が打率.367なだけに、桑原の活躍ぶりは際立った。

 対抗は月間11本塁打を放ったバレンティン(ヤクルト)。ゲレーロ(中日)も打率.309、7本塁打と好調を維持したが、桑原は打率.389と同時に7月に6本塁打を放っており、打点も14。桑原の7月の長打率.678は、バレンティン、ゲレーロに次いでリーグ3位。単打だけでなく、試合を決める長打、殊勲打が多かった点も評価できるところだ。7月21日が24歳の誕生日だった桑原。自身初の月間MVPというプレゼントが、果たして届けられるだろうか。