元中日の郭源治(左)と元西武の郭泰源(c)朝日新聞社
元中日の郭源治(左)と元西武の郭泰源(c)朝日新聞社

 ソフトバンクのデニス・サファテが、21日のロッテ戦でセーブを記録し、パ・リーグ新記録となる4年連続30セーブを達成した。サファテは2011年に広島に移籍し、西武を経て14年からソフトバンクで守護神を務め、来日7年目での快挙となった。今季は外国人として史上初となる通算200セーブも記録しており、史上最強の外国人ストッパーと呼ぶにふさわしい存在だ。過去にも記録や記憶に残る外国人投手は多いが、今回は忘れられない助っ人投手を振り返ってみよう。

 プロ野球の黎明期、巨人のエースとして活躍したのがヴィクトル・スタルヒンだ。現在のロシア出身で日本プロ野球史上、初の外国生まれの選手となったスタルヒンは、1936年の巨人入団から4球団で通算19年間プレーし、NPB史上初となる通算300勝を記録した。

 60年代には、ジョー・スタンカとジーン・バッキーが、ともにジャスト通算100勝という記録を残している。圧巻だったのが1964年で、セ・リーグは阪神のバッキーが29勝9敗、防御率1.89で最多勝、最優秀防御率のタイトルを獲得し、200奪三振で外国人初となる沢村賞を受賞。パ・リーグでは南海のスタンカが26勝7敗、防御率2.40で最高勝率、シーズンMVPにも選出された。この2人は日本シリーズで対決し、第1、6、7戦で3完封を記録し、シリーズMVPに輝いたスタンカに軍配が上がった。

 80年代に入ると台湾人投手が活躍した。その先駆けとなったのが、81年に中日に入団した郭源治で、16年間で106勝をマークした。また先発、リリーフで活躍した郭源治は、抑えとして通算116セーブも記録した。この郭源治から4年後、ロサンゼルス五輪の台湾代表時に「オリエンタル・エクスプレス」と呼ばれた郭泰源が西武に入団。150キロ台後半の速球に、伝説の高速スライダーを武器に13年間で117勝を挙げ、現在でも歴代外国人通算最多勝数の記録を保持している。同時期にロッテに所属した荘勝雄も11年間で70勝と、80年代は台湾出身の投手が日本球界を席巻した。

 90年以降に来日した投手で通算最多勝を記録していたのは広島、ロッテで74勝を挙げたネイサン・ミンチーだが、今季ここまで9勝のランディ・メッセンジャー(阪神)が通算82勝を挙げて歴代5位に浮上した。現役では、ソフトバンクから阪神などを経て、現在はロッテに所属しているジェイソン・スタンリッジが72勝で続く。

次のページ