そのうえで、広島の選手に目を向けると、まずは丸佳浩を抑えるべきだろう。今季のチーム対戦打率.304が物語るように軒並み高打率を残されているのだが、そのなかでも、丸には14試合で打率.426、3本塁打、14打点、5盗塁と暴れ回られている。不動の3番打者を封じ込めることができれば、失点数は大きく減るはずだ。投手陣では、6月25日の対戦で7回無失点、7月18日には7回1/3を3失点で、今季対戦2試合で0勝2敗、防御率1.88に抑え込まれている大瀬良大地に黒星を付けたい。8月以降の直接対決でも登板濃厚なだけに、スコアラーを含めたチーム全体で攻略法を見つけ出す必要がある。

 あとは、チームとしていかに勢いに乗るか。8ゲーム差を逆転するためには大型連勝が絶対に必要。先発投手が試合を作るとともに、日替わりでの打のヒーロー出現が求められる。幸い、盛り上げ役である西岡剛が復帰し、若手も頭角を現し始めた。流れに乗る素材は揃いつつある。

 ただ、8ゲーム差は大きい。仮に直接対決で5ゲーム差を縮めたとしても残り3ゲーム差ある。この差を覆すためには、他球団の協力も必要になる。カギを握るのは、今季広島戦4勝1分8敗の中日、そして同3勝11敗の巨人。虎党には容認できないかも知れないが、1996年に長嶋巨人が最大11.5ゲーム差をひっくり返して優勝した“メークドラマ”に準ずる逆転劇を実現させるためには、巨人の勝利を願う日も来るだろう。

 まだ7月末。ここからが夏本番だ。パ・リーグ同様に優勝争いを熱く燃え上がらせるためには、金本阪神の踏ん張りにかかっている。

(※成績は7月21日試合終了時点)