トラはアホすぎる。トイレの前にいるのに気づかずドアを開けたら、そのままの体勢で「べしょーん」とドアに引きずられて。ネコらしい俊敏さ皆無(笑)。無邪気で天真爛漫で、そんなトラが来たことでマツがちょっとツンツンするようになっちゃって。フクと一緒だったころは妹キャラだったのに。ネコって、ほかのネコや家族との関係性を読んで、そういう振る舞いをするんですよね。

 初代のときは「ちゃんとしつけしなきゃ」って思ってたんだけど、今は人間の子育てが忙しいんでネコはいいや、と。ヨシダさんも子ネコから飼うのが初めてでデレデレ。ニャコとクロとは違う無条件のかわいさがあって、不本意ながら私も自分で気持ち悪いぐらいデレデレしてます。もはや孫感覚(笑)。

――2匹が家族に加わって、ダンナさんや娘さんに変化は?

 マツが来たのは娘が5歳のときで、「妹ができた!」と大喜び。でもどんどんデカくなり、マツは娘に対して「こいつが家の中で一番ちっちぇな」っていう態度に。もう妹という感じじゃなくなりました。トラは相変わらずおバカだけど、体はしっかり大きくなって。娘は「あーあ、また私が一番小さくなっちゃったよ……」と舌打ちしてます(笑)。

 ヨシダさんはネコたちのごはんを仕切っています。その延長なのか、最近私たちの食事もヨシダさんが作るように。にごはんを食べさせたあと、「人間ごはんもできたよ!」「はーい!」みたいな(笑)。あとはトイレ。私、ネコのウンコを片付けたのって1回ぐらいしかないんです。ごはんの準備をしたりウンコを流したり、ヨシダさんがそうするように持っていった私はエラかったなぁ……って、どの口が言う!(笑)。

 ヨシダさんが気持ちよく作業できるように、オシャレで使いやすいトイレ砂用のスコップを用意したりはしています。お互いにちょっと相手がうれしくなることをし合って、「今日はオレがいい気分にさせてやったぜ」「今日はアタシが」と、日々負けられない戦いをしてますね。

――それが夫婦円満の秘訣?

 円満というより「仲良しプレー」ですね。ちっ! と思うことがあっても、仲のいい夫婦はこうするだろうというプレーをする。結婚したときにお互いいい歳だったし、2回目でもう失敗したくないっていうのもありました。だから「プレー」(笑)。すごく楽なんです。

――これからもマンガやエッセイで描かれる、人間3人&猫2匹のオモロい家族ネタが楽しみです。

 ネタを逃さないように、どんなに小さなネタも拾って培養して薄めて拡大して書いてます。月曜にうちで起きたことが金曜の新聞に載ったりして、ヨシダさんは「ネタがフレッシュすぎる!」と震えてる(笑)。そのぐらい追っかけられてます。

 なので、ネタのためにも初代みたいにマツとトラがしゃべるようにならんかなーと。早くこの私にツッコむトーク力を身につけてもらいたいものです。

(文/中津海麻子)