伊藤理佐(いとう・りさ)/1969年生まれ、長野県諏訪郡原村出身。デビュー作は87年、「月刊ASUKA」に掲載された「お父さんの休日」。2005年、『おいピータン!!』で第29回講談社漫画賞少女部門受賞。06年、『女いっぴき猫ふたり』『おんなの窓』など一連の作品で第10回手塚治虫文化賞短編賞受賞。ほか代表作に『やっちまったよ一戸建て!!』『おかあさんの扉』などがある。07年、漫画家の吉田戦車さんと結婚。10年、第一子出産。15年、マツ(メス猫)が家族になり、16年、トラ(オス猫)も家族になる(撮影/写真部・小山幸佑)
伊藤理佐(いとう・りさ)/1969年生まれ、長野県諏訪郡原村出身。デビュー作は87年、「月刊ASUKA」に掲載された「お父さんの休日」。2005年、『おいピータン!!』で第29回講談社漫画賞少女部門受賞。06年、『女いっぴき猫ふたり』『おんなの窓』など一連の作品で第10回手塚治虫文化賞短編賞受賞。ほか代表作に『やっちまったよ一戸建て!!』『おかあさんの扉』などがある。07年、漫画家の吉田戦車さんと結婚。10年、第一子出産。15年、マツ(メス猫)が家族になり、16年、トラ(オス猫)も家族になる(撮影/写真部・小山幸佑)
特別描き下ろし! 「ねこの窓」伊藤理佐作
特別描き下ろし! 「ねこの窓」伊藤理佐作

 夫で漫画家の吉田戦車さんと一人娘との爆笑生活、四十路オンナの妄想と迷走をつづり人気を博した伊藤理佐さんの『ステキな奥さん ぶはっ』。その第2弾『ステキな奥さん あはっ』から、2匹のネコが家族に加わった。ニューフェースが伊藤さんちにやってきたてん末、不本意(?)なデレデレ生活を聞いた。

【伊藤理佐さん描き下ろしネコちゃんはこちら】

――『ステキな奥さん あはっ』には、2匹のネコちゃんが登場します。

 一昨年に迎えたマツ(メス2歳)と、去年やってきたトラ(オス1歳)です。実はこの2匹は「二代目」。初代は、前の結婚時代に飼い始めたニャコとクロというネコでした。1歳違いで、どちらもペットショップ出身。離婚するときに1匹ずつ引き取る話も出たんですが、離したらかわいそうだからと、親権は2匹とも私がもらいました。

 ニャコもクロもよくしゃべるネコで、「仕事しろ」とか「大丈夫かよ」とか、いつも私にツッコミを入れてきた(笑)。今のネコはまだ若いからか全然しゃべらない。「にゃーん」「をーん」しか言いません。

 8年前にニャコが、そのあとを追うように翌年クロも旅立ちました。2匹とも18歳でした。ヨシダさんと結婚しムスメを妊娠し、私の新しい人生が始まるのを見届けて、「もういいんじゃね? あとはよろしく」と、まるでヨシダさんにバトンタッチするみたいに――。っていうのは、ちょっときれいごとにしすぎかな?(笑)。

――マツとトラを迎えた経緯は?

 いつかはまたネコと暮らすんだろうとは思っていました。ただ、次はペットショップで買うんじゃなくて、できれば娘が拾って来ないかなぁ、と。「運命」みたいなときが訪れるのを待っていたんです。ところが、なかなか拾ってこない。そんなとき、ヨシダさんの前の奥さんから「縁の下で野良の子ネコが生まれたからもらってくれない?」と電話があって。前の家族にええカッコしたかったようで(笑)、ヨシダさんがメス2匹を引き取って来ました。

 1匹は後ろ姿が松ぼっくりにそっくりだからマツ、もう1匹は白にちょんちょんとブチがあって豆大福みたいなのでフクと名付けました。残念ながらフクは小さいころに病気で亡くなってしまい、すごくがっかりしていたときに、西原理恵子さんから「今うちに野良の子ネコがいるよ」と写真が送られてきて。もらう気満々でカゴを抱えて飛んで行きました。そしてやって来たのが、トラ柄のトラです。

――2匹はどんなネコちゃんですか?

 マツはとにかく美形! 宅配のお兄さんにもヤクルトのお姉さんにも「美形ですねー」とほめられます。「カワイイ」と言うことはあっても、「美形」って心から思わなきゃなかなか言わないですよね? 「え~、そんなことないですよぅ」とか言いながら、心の中じゃ「だろ?」(笑)。人生初の「家の中に美形がある暮らし」、完全にステージママ気分です。

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