社長の出身大学ランキング(北海道1~15位)/データは帝国データバンク調べ
社長の出身大学ランキング(北海道1~15位)/データは帝国データバンク調べ

 社長の出身大学をみると、大学ごとの傾向が見えてくる。「大学ランキング2018」(朝日新聞出版刊)に掲載している「社長の出身ランキング」をもとに、教育ジャーナリストの小林哲夫さんが大学の特徴を読みとく。

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 各地域に拠点をおく企業の社長出身校をみると、その大学がいかに地域になじんでいるかがわかる。地場産業を支えており、地元にこよなく愛されている。こんな大学は高く評価されていい。

 本社所在地の地域ごとに、社長出身校のランキングをみてみよう。

 北海道の企業の1位はどこか。北海道大(北海道3位)や日本大(同2位)を抑え、北海学園大がここ数年トップの座を守り続けている。同大学出身のスター社長は、ニトリの似鳥昭雄氏であろう(現在は会長職)。同社は1967年に札幌市内で創業した似鳥家具店が起源だ。ほかにも、全国的な知名度は低くても、北海道では知られた地元企業の社長には北海学園大出身者が多い。

 その理由を就職実績からみることができる。2016年春卒の同大学のおもな就職者数は、法学部から北海道庁19、札幌市16。 経済学部は北海道庁16、北洋銀行7。経営学部は北海道銀行8、JR北海道4など。また、道内の役所、優良企業から独立して会社を起こすOB、OGも多いようだ。

 東北の企業では東北学院大出身の社長が一大勢力を築いている(東北2位)。13年まで仙台銀行頭取をつとめた三井精一氏は、1966年卒。地元の名士だ。

 関東の企業の社長出身校上位10大学のうち、9校は前年比で人数を減らしている。唯一増えたのが、7位の東海大である(2891人→2902人)。同大学出身の社長で有名人といえば、原田泳幸氏をおいて他にない(1972年工学部卒)。 アップルコンピュータ日本法人、日本マクドナルド、ベネッセコーポレーションなどの社長をつとめた。

 関西の企業では近畿大(関西1位)が強い。上位10大学では関関同立、甲南大、京都産業大、大阪工業大などが前年比で減少しているなか、近大は社長を増やす底力を持っている(4116人→4144人)。全企業ランキングでも、上位校が前年比で軒並み減らすなか、増加させた(7位、6262人→6291人)。一般入試志願者数14万人超えで4年連続日本一になったのはダテではなかったようだ。「長崎ちゃんぽん」で知られるリンガーハット社長の秋本英樹氏は、1978年第二工学部卒。顔ぶれをみると、関西経済を支える中小企業の社長が多いのが特徴だ。

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