一部上場企業社長では青山学院大が前年比4人増で29人となり、上位10校に入ったのが注目される。青学出身の一部上場の社長には、アサヒグループホールディングスの小路明善氏、サイバーエージェントの藤田晋氏、セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一氏らがいる。最近有名になったのが、タレントで女優の菊川怜氏と結婚した、カカクコム、クックパッドの社長だった穐田誉輝氏だ。

 女性社長ランキングは、16年が2位慶應(198人)、3位早稲田(194人)。17年になると2位早稲田(204人)、3位慶應(202人)となり、早慶の順位は僅差で逆転した。

 早稲田はこの結果を見通していたかのように、受験生向けパンフレットのOG紹介で2年続けて女性社長を掲載した。15年パンフレットにはインテルの江田麻季子氏が登場。1988年第一文学部卒で、2013年に社長となった。16年パンフレットでは野村信託銀行の鳥海智絵氏がインタビューページを飾った。1989年法学部卒で、野村證券などを経て2014年に社長に就任した。2人とも男女雇用機会均等法の施行以後に社会人となった世代である。

 2017年の新社長を紹介しよう。

 みずほ銀行頭取には常務だった藤原弘治氏が就任した。早稲田大出身で、初めての私立大学出身となった。みずほ銀行のトップはこれまで東大4人、京大2人。メガバンクに官尊民卑的な発想はなくなったとみていいか。大和証券グループ本社では、早稲田出身の中田誠司氏が副社長から昇格。野村證券の森田敏夫氏(同志社大卒)も副社長から昇ってきた。長時間労働問題で揺れた電通は、慶應出身の山本敏博氏が就任した。ここ数年、電通への就職者数は慶應が他大学を圧倒する強さを誇る。

教育ジャーナリスト・小林哲夫