【パ・リーグ打者部門】


柳田悠岐(ソフトバンク)

 投打別にセ・パ両リーグで選出した前半戦MVPだが、その中で最も“文句なし”だったのが、オールスターのホームランダービーでも2日連続キングに輝いた、この男である。

 トリプルスリーを達成した15年からケガに苦しんだ16年を経て迎えたプロ7年目。開幕直後はややおとなしかったが、5月後半から一気にエンジン点火。6月に入ってさらにアクセルを踏み込み、6月1日から9日の8試合で7本塁打の大暴れ。6月23日の西武戦(ヤフオクドーム)ではレフト、ライト、そしてセンターへ3打席連続アーチをぶちかました。7月に入っても勢いは衰えずに7月5日から3試合連続本塁打。前半戦を終えて、打率.327、23本塁打、75打点と傑出した数字を残した。

 打率、本塁打、打点はすべてリーグトップで、出塁率と長打率を足して求められる打撃指数OPSは、驚異の1.083を誇った。負傷離脱者も多く、決して万全でなかったソフトバンクが、首位・楽天と1.5ゲーム差の“射程圏”で前半戦を終えることができたのは、柳田のフルスイングがあってこそ。04年の松中信彦(ダイエー)以来、史上8人目(12度目)の三冠王への期待を高め、前半戦12盗塁だった“足”をさらに活かせば、自身2度目のトリプルスリーも視界に捉える。「2017年=柳田」のシーズンとなる可能性は十分にある。