【セ・リーグ打者部門】


丸佳浩(広島)

 前半戦で1試合平均5.3得点の攻撃力を誇った広島の中で、不動の3番打者の働きを最も推したい。

 昨季から取り組んできた新打法をさらに進歩させた今季、開幕から快音を連発して打率3割をキープ。結果が出るとともにスイングに力強さが増し、交流戦を迎えた6月は5度の猛打賞をマーク。6月16日のソフトバンク戦(マツダ)では3打席連続本塁打、翌17日の同戦では決勝弾を放つなど、6月の21試合で打率.402、6本塁打、22打点と大暴れした。

 前半戦を終えて打率.319(リーグ4位)、16本塁打(同5位)、57打点(同4位)。首位快走の広島の中でも打率トップを誇る丸だが、本塁打と打点では鈴木誠也(17本塁打、64打点)、エルドレッド(21本塁打、59打点)の方が上回る。しかし、出塁率と長打率とを足して求められる打撃指数のOPSの項目では、鈴木のOPS.907、エルドレッドのOPS.959を上回るリーグトップのOPS.960を誇った。本拠地マツダスタジアムでは40試合で打率.344、12本塁打、35打点。強力赤ヘル打線の象徴として働くプロ10年目の28歳に、前半戦のMVPを贈りたい。