「女王のプログラムなので、女王でないといけない。完璧な演技をするプログラムだと思っているので、いつものシーズンオフと違って今回はこのショーもノーミスで完璧を目指して、自分で自分を緊張させながら滑っています」

 シニア一年目にして、本田が五輪代表の有力候補となることは間違いなさそうだ。

 シニアデビューの昨季、四大陸選手権で優勝し飛躍を果たした三原舞依は、ショートプログラム「リベルタンゴ」を滑った。傍から見れば大躍進の昨季、三原本人は世界のトップ選手との表現力の差を感じていたという。「少しでも追いつけるようにするために去年とは全然違うものをしたい」という思いが現れたショートだった。

 滑らかな表現が得意だと自認する三原は「振り付けをしてもらった時は、このプログラムを滑れるのかな、という不安がすごくあった」という。「きりっとした表情」を作るため、鏡に映る自分をにらみつける練習などもしており、バレエやダンスにも挑戦したい、と意気込んでいる。初披露からノーミスの演技を見せており、持ち前の安定感と伸びのある滑りに強い印象を与える表現力が加われば、五輪の舞台も近づくだろう。

 五輪シーズンの開幕前から、選手たちの大舞台への挑戦は始まっている。(文・沢田聡子)