秀島史香(ひでしま・ふみか)/ラジオDJ、ナレーター。1975年、神奈川県茅ケ崎市出身。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。大学在学中にラジオDJデビュー。J-WAVE『GROOVE LINE』、NHKラジオ『英語で読む村上春樹』のほか、NHK総合『着信御礼!ケータイ大喜利』などのテレビ番組にも出演。映画、テレビ、CM、アニメなどのナレーション、美術館音声ガイド、JAL機内放送など活動は多岐にわたる。J-WAVE SPECIAL『VERMEER, 37 STORIES~光の王国~』で第49回ギャラクシー賞『ラジオ部門選奨』受賞。現在の担当番組は、FMヨコハマ『SHONAN by the Sea』、JFN系列局『Pleaseテルミー!マニアックさん。いらっしゃ~い!』では吉田照美氏と共演中
秀島史香(ひでしま・ふみか)/ラジオDJ、ナレーター。1975年、神奈川県茅ケ崎市出身。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。大学在学中にラジオDJデビュー。J-WAVE『GROOVE LINE』、NHKラジオ『英語で読む村上春樹』のほか、NHK総合『着信御礼!ケータイ大喜利』などのテレビ番組にも出演。映画、テレビ、CM、アニメなどのナレーション、美術館音声ガイド、JAL機内放送など活動は多岐にわたる。J-WAVE SPECIAL『VERMEER, 37 STORIES~光の王国~』で第49回ギャラクシー賞『ラジオ部門選奨』受賞。現在の担当番組は、FMヨコハマ『SHONAN by the Sea』、JFN系列局『Pleaseテルミー!マニアックさん。いらっしゃ~い!』では吉田照美氏と共演中

 生来の人見知りで「緊張しい」だという人気ラジオDJの秀島史香さんには、20年の経験の中で培ったコミュニケーション術があります。最も大切なのは、いかに相手と自分にとって「いい空気をつくる」か。小さな心がけや習慣で「いい空気」は一瞬のうちにつくることができると、自著『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則』でも明かしています。その中から、どんなに気持ちに余裕がないときでも、まさに一瞬で心理バリアを解除できるアイコンタクトの威力についてご紹介します。

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 ラジオDJ駆け出しのころからどんなに気持ちに余裕がなくても、最低限心がけてきたことがあります。それは、「ゲストの方にリラックスして話してもらえるような空気をつくる」こと。

 ラジオ局は、私にとっては勝手知ったるホームグラウンドですが、ゲストにとってはアウェーの場所。だからこそまずは相手の緊張をほぐして、「ようこそいらしてくださいました!」という気持ちを伝えたい。

 その空気をつくるのは、ファースト・アイコンタクトの瞬間です。目と目が合ったときに、いかに「あ、歓迎されているな」「この人となら楽しく話せそうだな」と思ってもらえるか。「おもてなし」は、言葉を交わす前から始まっているのです。

 なぜ目と目を合わせることがそれほど重要なのでしょう。

 たとえば、こんな場面を考えてみてください。旅先で、その日泊まるホテルに着きました。チェックインをするため、フロントに向かいます。フロント係は「ようこそいらっしゃいました」と言うけれど、パソコンの画面から顔も上げないまま。それでは、不快・不安に思うのは当然です。

 また、緊張感を高めるのも簡単です。目と目を合わせなければいいのですから。思い出していただきたいのが、2016年のアメリカ大統領選挙の討論会です。会場に登場した候補者のドナルド・トランプさんとヒラリー・クリントンさんは、いざ始まると、互いに目を合わせることはほとんどなく、終了後に握手を交わすこともなく別れたこともありました。

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