中日の岩瀬仁紀と広島の丸佳浩(c)朝日新聞社
中日の岩瀬仁紀と広島の丸佳浩(c)朝日新聞社

 シーズンの半分を消化したペナントレースを熱く沸かせた男は誰か?今回は6月のセ・リーグ月間MVPを予想したい。

【セ・リーグ投手部門】
岩瀬仁紀(中日

 6月29日時点での最有力候補は、バルデス(中日)だった。開幕から打線の援護に恵まれず、5月を終えて11試合に先発して防御率2.69ながら1勝4敗と黒星が先行していた来日3年目左腕だったが、6月に入ると11日のオリックス戦(京セラドーム大阪)での7回3安打無失点から、17日の西武戦(ナゴヤドーム)で7回2安打1失点。さらに23日の巨人戦(東京ドーム)での8回3安打無失点での快投を披露。6月3連勝で月間防御率0.41という文句なしの成績だった。だが30日の広島戦(マツダ)で7回途中8失点(自責7)と炎上。月間防御率も2.54まで下げてしまった。

 代わりに浮上するのが、5月24日から連続無失点試合を続けている球界最年長投手、岩瀬仁紀(中日)だ。セットアッパーとして復活を遂げる中で、6月は14試合に登板して計11回2/3イニングを投げて被安打4、2四死球11奪三振で防御率0.00。1勝0敗10ホールド1セーブと抜群の安定感を示した。歴代最多登板の日本記録更新も目前に迫っているレジェンドが、42歳7カ月にして、2005年4月以来自身2度目の月間MVP受賞なるか。中日球団として3・4月の大島洋平、5月のビシエドに続く3カ月連続受賞もかかっている。

【セ・リーグ打者部門】
丸佳浩(広島)

 セ・リーグ打者部門の最有力候補は、広島不動の3番打者で間違いない。昨季、打率.291、162安打、90打点、20本塁打を記録して優勝に貢献した丸佳浩(広島)。プロ10年目を迎えた今季は、開幕から好調を維持すると、6月に入ってさらに上昇気流に乗った。

 6月3日から2度の猛打賞を含む6試合連続の複数安打を放つと、16日のソフトバンク戦(マツダ)では、球団史上5人目(6度目)となる1試合3連発アーチ。翌17日にはチームを勝利に導く決勝弾を放った。交流戦打率.411は12球団トップ。そして6月という区切りでも、21試合に出場して打率.402(82打数33安打)、6本塁打、22打点の好成績。打率、打点は月間リーグトップ、本塁打数も月間リーグ3位タイという暴れっぷりだった。

 他候補としては、ともに月間打率3割超えで、月間9本塁打を放ったゲレーロ(中日)とロペス(DeNA)。長引いた不振から抜け出し、長野久義(巨人)や筒香嘉智(DeNA)も奮闘したが、やはり首位快進撃を支えた男の働きが最も目立っていた。