エアコンも扇風機もスイッチさえ入れれば、あとは機械が勝手に風を送ってくれ、すぐに涼しさを感じられます。ですが、大自然相手だとそうはいきません。涼を待ち、ときには迎えにいかねばならない……。

 境内から吹き渡ってくる微風が、とてもありがたく感じられます。

 おそらくは、そんなことも「暁天講座」の一環なのだろうと、私は勝手に解釈しています。

 2つ目は、座禅でしょうか。

 なかでも、四季折々その表情を変える名園で知られる、洛北「圓光院」がおすすめです。毎週日曜日だけですが、早朝6時から「日曜座禅会」が開かれています。座禅、作務、法話、粥坐と続き、およそ2時間にわたって寺方の体験ができます。

 気分がだらけがちな夏の朝にはふさわしいひととき。気持ちを引きしめてくれ、一日を爽やかに過ごせる体験となることでしょう。ただ、注意したいのは、必ず前日までに予約をすることです。

 3つ目は、「東寺(教王護国寺)」の夏ならではの景色です。

 京都に五重塔は、「東寺」を含めて全部で4つありますが、それぞれ見るべき季節があります。夏は、やはり「東寺」。「北大門」から入って左、宝蔵を取り囲む堀に蓮が咲きます。

 夏の朝、その蓮の花越しに眺める五重塔が素晴らしいのです。