先発では開幕戦登板後、咽頭炎で長期離脱していたジョンソンが交流戦中に復帰したが、2試合に投げて防御率5.73と、昨年の出来には戻っていない。セットアッパーのジャクソンも、8試合で防御率6.75と調子を落とし、配置転換が決まっている。昨季の投手陣を支えた外国人2人の状態は、首位を走るチームの不安材料となっている。

 2年ぶりに交流戦で勝ち越した阪神は、ベテランの鳥谷敬が打線を引っ張った。交流戦前の顔面死球による鼻骨骨折の影響を感じさせず、交流戦打率.338で下位のチャンスメーカーとなり、走者を置いた打席では持ち前の勝負強さも発揮した。糸井嘉男が途中で故障離脱し、福留孝介が交流戦打率1割台と絶不調だった打線で、存在感を見せたのが俊介や伊藤隼太、上本博紀らの中堅選手だった。さらに交流戦チーム2位の打率.297を記録した高山俊や、1番での起用が増えた糸原健斗、5番、7番を任された原口文仁や中谷将大などの「金本チルドレン」も活躍し、野手陣の層は厚くなっている。

 投手陣では、エース格に期待された藤浪晋太郎が制球難で二軍落ちとなっているが、今季8年目で覚醒の兆しを見せ、交流戦でも3勝を挙げた秋山拓巳や勝ち星こそなかったものの、交流戦3試合に先発して防御率2.75と安定した投球だった小野泰己など、もともと頭数が揃う先発陣で新風も吹いている。交流戦で目立ったのがリリーフ陣で、10試合に登板して7ホールド、防御率0.00の桑原謙太朗を筆頭に、高橋聡文、マテオに抑えのドリスが抜群の安定感があった。

 3ゲーム差で最低でも勝ち越したい阪神は、交流戦終盤に代打での出場が続いた糸井がスタメン復帰の見込みだ。広島は交流戦で、代打で2打席連続本塁打と衝撃デビューを飾ったバティスタの起用法も注目される。

 リーグ戦再開から首位攻防戦となる3連戦。予想される先発は、広島がジョンソン、薮田、大瀬良、阪神がメッセンジャー、能見、岩貞。ここまでの対戦成績は阪神の6勝3敗だが、後半戦に向け、目が離せない3連戦となりそうだ。