いずれにしても、アンに随行するおじさまたちは思い思いのスタイルで観戦を楽しんでいるようだ。記者自身、ゴルフに馴染みがなく、トーナメント観戦も初めての体験だったが、レジャーとして満足度が非常に高いと感じた。都会の喧騒を離れ、自然のなかでホールからホールへと渡り歩き、美しきアスリートの奮闘を眺める。さらに競技内容自体もハイレベルとなれば、楽しくないはずがない。ウォーキングルックに身を固めた、60代男性D氏の「TVでアン・シネを見て、どんなものかと初めて試合に来てみた。ゴルフって面白いね。アン・シネも綺麗で言うことないよ」という感想が胸に残った。「オトナのピクニック」、そんなフレーズが頭をよぎる。



 しかし、純粋にゴルフの技量を競い合うという観点からすると、このアン・シネ旋風に批判があることも事実だ。デイリー新潮6月20日付の記事では、<アンの国内初戦で同組だった青山加織は「観客の皆さんはお尻やおっぱいを見に来たと思うけど、もっとプレーを見て」>と苦言を呈したと報じられている。事実、今回の試合でも同じ組の他の選手がパターをしているさなかに、報道陣のカメラは待機するアンを追い続けているという光景を何度も目にした。こうした批判を跳ね返すには、試合で結果を出す他ないだろう。

 ホールアウト時、ギャラリー向けて右手を挙げ、声援に応えたアンは首位と3打差の14位でフィニッシュ。残り3日間の健闘を祈りたい。(AERA dot.編集部 小神野真弘)