では、「3バカ」に共通する心理構造はなんだろうか?

 まず挙げられるのが、自信のない保身的な小人物であるという点だ。彼らは秘かに「劣等コンプレックス」をかかえているため、「敵意帰属バイアス」という現象がはたらく。間違っても、「バカにしやがって!」という気持ちにさせてはいけない。

 次に挙げられるのが、「自分好き」であるという点。つまりは「自己愛過剰人間」である。極度に傷つきやすいので、勝手に「裏切られた!」という被害者意識をもつ。しばしば攻撃的な態度に出るので、要注意。

 つまり、組織にはびこるバカは、自信のない可哀そうな人々なのである。こうした自信のない上司や自信のない部下の「見下され不安」をどう解消してやるかが、身を守るポイントになる。

 重要なのは、「人は理屈では動かない」という“真実”。そして、「情動コントロール志向のコーピング(対処法)」と、「情緒的コミュニケーション」の2つだ。

 具体的には、どうしたらいいのだろうか?

 会議は大いに、かつ、あの手この手で上手にサボろう。規則好きのためには、前例を徹底的に洗い出し、例外規定を提案しよう。数字好きに対しては、相手の思考力のなさに合わせよう。こちらに都合の良い数字を強調するのもいい方法だ。数字好きは「なるほど」とすぐ乗ってくるだろう。

 カイシャのバカに負けてはいけない。イライラせずに、上手に対処すれば、バカも無害化できる。カイシャのバカから身を守ることはすなわち、バカから組織を守ることでもあるのだから。