本田の口ぶりから基本的には欧州内での移籍がベースになるが「あんま同じルーティンが好きじゃないんで。環境もそうですけど。常に未開の地みたいなところが好きですし、自分の知らないエリアに行くのも好き」と語るように、好奇心を刺激する新しい居場所を求めている。その意味では、セリエAの中での移籍はプライオリティーが下がる。一方で米国や中国については可能性を否定しなかった。

 「基本的にオープンマインドですよ。みなさんもたぶんご存じだと思いますけど、冬もしっかり検討しましたし。なので、あんまり固くなってないです。本当に。とりあえず聞いてみるくらいで、とりあえず話してみたい。全部閉じているわけではないです」

 そういう本田も、オファーが伝えられるJリーグに戻る可能性はきっぱりと否定した。「正直言うと、日本という選択肢は考えたことないです」と語る本田は“悪く取らないでください”と補足しながら「日本には僕がいなくても、いっぱいがんばっている選手もいるし、僕がいなくても、たくさん日本人がいる」と強調して、自分が日本に戻ることに意味を見いだせないという考えを示した。

「日本ではちょっと窮屈で、海外の2メートルの男とケンカしたい日本人っていうのもいるわけです。そういうところに刺激を求めているやつも、何人かは日本人としていないといけないというところで、われわれの役割分担というのも職種にかかわらずある」

 本田が求める新しい刺激は、地理や文化がこれまでと異なる環境という意味もあるだろうが、筆者はもう1つの刺激を考えている。困難だと思われるところにチャレンジしながら、そこで自分の居場所を開拓していく“フロンティア・スピリット”的な好奇心を満たす環境だ。

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