シーズン序盤はクラウディオ・ラニエリ監督に冷遇され、控えに甘んじた。指揮官がクレイグ・シェイクスピア監督に代わった後はレギュラーに戻ったが、それでも前半だけでの途中交代が少なくなく、チーム内で絶対的な地位を築けなかった。リーグ戦における得点数は3で、昨季の5点を下回った。

 守備をこなしながらゴールを目指すという難しい役回りのため、ゴールチャンスの数も必然的に少なかった。しかし、岡崎本人としてはゴールを強く追い求めており、FWとしてジレンマと葛藤に揺れる1年でもあった。

 岡崎は次のように振り返る。

「やっぱり、ゴールを決めきれなかったというのが、今シーズン一番できなかったこと。チャンスの数は少なかったけど、その中で僕が7~8点取っていれば、また状況が変わっていたかもしれない。ただ、自分の言い分を言うと、点を取ろうと思えば、守備の細かい部分でプレーがおろそかになり、チームを助けられなくなった。『ゴールを狙おう』と試合前に意気込んだ試合でも、あまり良いプレーができなかったし、チームもうまく機能しなかった」

 31歳の岡崎にとって初挑戦となったチャンピオンズリーグでは、チームのベスト8進出に大きく貢献した。「年間最優秀ゴール候補」にも上がる華麗なボレーシュートをプレミアリーグのマンチェスター・C戦で決めた。守備面や中盤のつなぎの局面でもチームを支えた。しかしシーズン全体で捉えると、在籍2季目のレスターで絶対に欠かせないピースになれなかった。来シーズンも新戦力FWの加入が予想されるだけに、さらなる奮起が必要になりそうだ。(文・田嶋コウスケ)