■「出世稲荷神社」の出世鈴

「出世」を願う神社をもう一つご紹介しましょう。「出世稲荷神社」です。

 神社の正式名称に「出世」が付くのは稲荷社だけではないでしょうか。出世稲荷神社は、天正15(1587)年、秀吉が聚楽第を造営する際、長く信仰していた稲荷神社を勧請したのが始まりとされています。

 のちに後陽成天皇が聚楽第に出向き、その稲荷社に参拝し、出世を遂げた秀吉に因んで「出世稲荷」の号を授けました。かつて千本二条近くにあり、出世を願う善男善女で大いににぎわったのですが、2012年、洛北大原の閑静な地に移転しました。

 この神社でぜひとも授かりたいのが、「出世鈴」というお守り。白地の土鈴に赤い字で「出世」と書かれていて、ふたつ一対の鈴が赤いひもで結ばれています。神さまと自分と両方に立身出世を誓うという意味合いがあるそうです。身近に置き、時折にぎりしめると心が落ち着きます。小さく振ると軽やかな音がして、身も心も清められるような気がするのでおすすめです。