肝心の国内デビュー2連戦の内容だが、「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」では通算6オーバー41位タイでフィニッシュ。しかし翌週の「ほけんの窓口レディース」では、初日79、2日目78と振るわず通算13オーバーで予選落ちを喫した。

 これだけ見ると「ビジュアル先行で本業はその程度?」と思われそうだが、シネがここまでの人気を誇るのは、その容姿に実績もしっかりと伴っているからだ。昨年のファイナルQTで45位となり今回の国内参戦となったが、韓国ツアーでは、2015年にメジャー競技の「イスケミカルKLPGAチャンピオンシップ」でメジャー制覇を達成。プロ転向以降は09年から一度もシード落ちがなく、年々レベルが上がる韓国の舞台でしっかり結果を残している。

 また、韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)では、実力と美貌を兼ね備えた10選手を毎年「KLPGA広報モデル」として選んでいるが、シネは、国内で無敵のイ・ボミや「ワールドレディスチャンピオンシップ」で国内メジャー連勝となったキム・ハヌルらとともに何度も選出されている。シネのプロゴルファーとしてのキャリアは、ツアーも認めているというわけだ。

 そんなシネの人気は、今回の来日により、完全に日本にも波及した。会場では何度も「アリガトウゴザイマス」とファンに笑顔を振りまき、「ほけんの窓口レディース」で予選突破を逃したにもかかわらず、日本のファンからの大声援に「生涯で幸せな2週間のひとつ」と目を潤ませた。「セクシークイーン」のそんな姿に、日本の男性ゴルフファンはイチコロになったはずだ。

 気になる今後のシネだが、今季の主戦場は韓国のまま。日本では、6月22日からの「アース・モンダミンカップ」(千葉県、カメリアヒルズカントリークラブ)に出場予定となっている。シネ“ロス”のお父さん、「セクシークイーン・センセーション第2幕」まであと1カ月の辛抱です。(文・田村一人)