サッカーAFCチャンピオンズリーグ、グループF第5節、浦和レッズ対ウェスタン・シドニー。喜ぶ浦和レッズの槙野智章(写真:Getty Images)
サッカーAFCチャンピオンズリーグ、グループF第5節、浦和レッズ対ウェスタン・シドニー。喜ぶ浦和レッズの槙野智章(写真:Getty Images)

 アジアの最強クラブへ――。その期待がにわかにふくらみつつある。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に参戦中の日本(Jクラブ)勢のことだ。

 近年は戦績がふるわず、2008年にG大阪が優勝したのを最後に、タイトルから遠ざかっている。その間、アジアの覇権を手にしてきたのが韓国勢と中国勢。同じ東アジアのライバルの後塵を拝してきたわけだ。

 今季はJリーグ王者・鹿島をはじめ、浦和、川崎F、G大阪が出場権を獲得。2月末から第一関門のグループステージに挑み、鹿島、浦和、川崎Fが第二関門のノックアウトステージへ駒を進めた。

 3チームの第一関門突破は2014年以来、3年ぶりのことだ。しかも、3チームそろって堂々の首位通過である。鹿島と浦和はともに4勝2敗で、最終節を待たずに突破を決めている。1勝4分けの3位で最終節を迎えた川崎Fも、最下位に沈むイースタン(香港)に4-0と大勝。土壇場でグループ首位に躍り出た。

 鹿島はアウェー戦で1勝2敗と苦しんだが、ホーム戦で3戦全勝。したたかに勝ち点を積み上げた。ACLの常連である浦和は、抜群の安定感。早々と上海上港との一騎打ち(首位争い)へ持ち込んでいる。川崎Fはケガ人続出の中、見事な粘り腰。アウェー戦で1勝2分けと勝ち越したことが、最後にモノを言った格好か。

 今季は韓国勢が不振を極め、グループステージを突破したのは済州のみ。この先、東地区のファイナリストの座をかけて争うライバルは、同じ3チームが勝ち上がった中国勢(上海上港、広州恒大、江蘇蘇寧)か。

 グループステージにおける中国勢との対戦(ホーム・アンド・アウェーの2試合)を振り返ると、浦和が上海上港と1勝1敗、川崎Fは広州恒大と2分け。そして、日本勢の中で唯一敗退したG大阪は江蘇蘇寧に歯が立たず、2連敗を喫している。

 必ずしも、日本勢にアドバンテージがあるわけではない。勝てない理由はないが、勝てる保証もないわけだ。チャンスは五分五分だろう。それでも、近年の「逆風」と比べれば、はるかに見通しは明るい。

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