主砲としても活躍が期待される中日・ゲレーロ選手 (c)朝日新聞社
主砲としても活躍が期待される中日・ゲレーロ選手 (c)朝日新聞社

 今シーズンからセリーグ各チームに加入した新外国人助っ人たち。ペナントレースの行方に大きく影響を与える彼らの、開幕からここまでの働きを振り返ってみたい。

 先発投手では、ウィーランド(DeNA)とブキャナン(ヤクルト)が奮闘している。ウィーランドはここまで5試合に先発し、最初の3試合は勝ち星に恵まれなかったが、4月28日の広島戦、5月4日の巨人戦と2連勝。1メートル88センチの長身からチェンジアップ、カーブを効果的に用いて防御率2.27の安定感でQS率は80パーセントを誇っている。一方のブキャナンは阪神相手に2勝(4月4日、5月2日)を挙げ、計5試合に登板して防御率2.06でQS率80パーセント。噂の美人妻とは、しばらく離れて暮らすことになるようだが、打線の援護さえもらえれば勝ち星はもっと増えて行くはずだ。

 救援陣では、カミネロ(巨人)が期待通りに守護神に君臨。自慢の剛速球を武器に、ここまで13試合に登板して0勝1敗9セーブ、防御率1.23の好成績。計14回2/3イニングで3四球(2死球)と心配されていた制球難も今のところは大きな問題にはなっていない。途中から抑え役に回ったパットン(DeNA)も確実にブルペンを分厚くした。クライン(DeNA)も先発で2勝(1敗、防御率3.43)を挙げており、DeNAの今年の助っ人投手は、久々の“当たり”を予感させる滑り出しを見せている。

 一方で、ブキャナンが働いているヤクルトでは、オーレンドルフ(4試合、防御率5.50)、ギルメット(5試合、防御率10.80)の2人は結果を残せず。その他、ブレイシア(広島)は中継ぎで活路を見いだしているが、アラウホ、ロンドン(ともに中日)、メンデス(阪神)は外国人枠の壁の前に1軍登板なし。ファームでは、アラウホが12試合で防御率1.50、ロンドンは10試合で防御率0.90、メンデスも16試合で防御率1.10と“違い”を見せているだけに、早めにチャンスを与えても面白い。

 目立たないのが野手陣だ。今オフに各球団一人ずつの計6人が加入したが、この中で期待通りの働きを見せているのは、打率.307、4本塁打、21打点とすべてチーム2位の成績を残しているマギー(巨人)のみ。ただ、楽天でのプレー経験のあるマギーは純粋な「新外国人」ではない。そうなると他の面々に期待したいところだが、オープン戦絶好調だったシリアコ(DeNA)は開幕5試合で13打数1安打7三振の打率.077で2軍降格。キャンベル(阪神)とペーニャ(広島)はまだ出場数が少なく、グリーン(ヤクルト)に至ってはベールを脱ぐ前に左ふくらはぎ肉離れで長期離脱となった。

 その中で唯一、ゲレーロ(中日)が開幕からスタメン出場を続けているが、評価が難しいところ。バットでは打率.229も5本塁打を放ち、真面目な性格で練習熱心ではあるが、5月3日の広島戦で2連続エラーを犯して逆転負けの原因となった。まだ30歳で成長の余地は残してはいるが、現状では“もろ刃の剣”。森繁和監督が使いこなすことができるか。ゲレーロ自身の精進とともに、指揮官の力量、そしてチームとしての懐の深さを問われることになる。