このような状況が生じるのは、安倍政権のミサイル対策が、非常に中途半端でいい加減なものだからだ。今のまま、米韓と北朝鮮が戦争を始めて、日本にミサイルが飛んでくることになったらどうするのだろうか。「地下に逃げ込め」と言っても、ほとんどの住民は、近くに地下施設などないし、木造家屋に身を潜めるのがやっとだ。大都市などでは、地下に逃げ込もうとする人たちがパニックに陥り、ミサイルが着弾しなくても、階段で将棋倒しになって、多くの圧死者が出る惨事にもなりかねない。

 安倍晋三総理は、トランプ大統領が「テーブルの上にはすべての選択肢がある」と発言したことを「評価」し、自衛隊は、原子力空母カール・ビンソンの「無敵艦隊」との共同訓練や米補給艦への防護任務を実行した。

 度胸を試すためのチキンレースに臨む米朝両首脳が「狂気」ぶりを競い合っているのに、両者が激突したら真っ先に大きな被害を被る桟敷席に第三者が陣取って、「もっとやれ!」と日の丸の小旗を振り、さらには一方の車の補給任務を手伝っているという図だ。

 米国か北朝鮮いずれかが暴走し、本物の戦争に発展する可能性を否定できない状況下で、こんな無邪気な戦争ごっこをするのは止めてもらいたい。何しろ、万一戦争ということになったとき、これまでトランプ大統領の言動に何の留保もつけずに100%支持表明をして来た安倍総理に、「反対」という選択肢はないのだから。

●では、小池都知事の頭の中は?

 東京にミサイルが飛んできたときの対応では、当然のことながら、小池百合子東京都知事の役割も大きい。都民の命を守るのは、都知事の仕事の中でも最優先の課題であるはずだ。特に小池知事と言えば、元防衛相で、軍事にも強い珍しい知事だから、都民の期待は高いだろう。

 その知事は、今回のミサイル攻撃についてどう考えているのだろうか。フリージャーナリスト横田一氏が真っ先に報じているが、小池知事は会見でこのように述べている。

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