前評判を覆したのは誰だ?〈セ・リーグのルーキー通信簿〉

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 期待と不安の両方を抱えながら迎えたプロ初のシーズンの1カ月を注目のルーキーたちはどう過ごしたのか。その活躍をセ・パのリーグ別に振り返っていきたい。まずはセ・リーグ編から。

 育成契約を除いて投手30人、野手12人が入団したセ・リーグ。4月を終えた時点で、投手陣では計7人、野手陣では計3人が1軍デビューを果たした。

 投手7人のうちプロ初勝利を飾ったのは、濱口遥大(DeNA)と加藤拓也(広島)、床田寛樹(広島)がいるが、特に衝撃的なデビューだったのは加藤だ。チームの軸であるジョンソンの緊急離脱で回ってきたチャンスに、初回から150キロを超える力のあるストレートと鋭いフォーク、スライダーを武器にヤクルト打線を強気に攻め続け、計7四球も7三振を奪いながら9回1死までノーヒットノーランという圧巻のピッチング。この日の132球目をバレンティンが三遊間に弾き返して1987年の近藤真一(中日)以来のプロ初登板での偉業達成は逃したが、ルーキーとして強烈なインパクトを残した。

 話題性では加藤に劣るが、開幕から安定した投球で先発ローテとして働いているのが濱口だ。開幕3戦目4月2日のデビュー戦は5回4失点(自責2)だったが、以降の3試合は計18イニングでわずか2失点(自責1)。ここまで5試合に登板して2勝1敗、防御率2.17の好成績を残している。ドラフト時には1位指名ながら他の即戦力投手と比べて時間がかかるという声もあったが、蓋を開けてみればチェンジアップを武器に物怖じしない堂々たるピッチングを続けている。

 野手陣で目立つのは、京田陽太(中日)だ。開幕戦に「7番・ショート」でプロデビューを果たすと、4月までの26試合中19試合にスタメン出場。打率.198とバッティングに関してはまだまだ課題を残すが、自慢の快足と堅実な守備でハツラツとしたプレーを披露。チームの走塁改革、そして世代交代の新たな担い手として頭角を現している。その京田に続く野手が糸原健斗(阪神)と佐野恵太(DeNA)だが、ここまでともに14試合に出場も打率1割台と低迷している。

 今後の期待は、他のドラフト1位組になる。特に柳裕也(中日)には注目。3月初旬に右肘周辺の炎症のために戦列を離れたが、ファームで2度の調整登板で計8イニングを無失点と調子を上げている。5月中の1軍デビュー、そしてプロ初勝利からのローテ入りが期待される。同じくケガで出遅れた寺島成輝(ヤクルト)も4月29日のイースタン戦で実戦初登板を果たして1回無失点。高卒1年目ではあるが、高い完成度を誇るだけに1年目から1軍で結果を残せる力は十分にある。

 その他で奮起が求められるのが、吉川尚輝(巨人)と大山悠輔(阪神)。ともに2軍で“英才教育”中だが、吉川が27試合で80打数15安打の打率.188、0本塁打5打点で3盗塁。大山も23試合に出場して62打数14安打の打率.226で8打点も本塁打は0本と苦しんでいる。まだシーズンは始まったばかりとは言え、ファンの見る目もいつまでも温かくはない。焦る必要はないが、ドラフト1位だけにいつまでも悠長にしてもらっても困る。(※打率などの成績は4月30日の試合終了時点)

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