今後、日本でも主流になるかもしれない攻撃型2番の「2017年型楽天打線」を完成させたのが、就任2年目の梨田昌孝監督だ。梨田監督は、2001年に当時の大阪近鉄を球団最後のリーグ優勝に導き、さらに2009年には、就任2年目で北海道日本ハムをリーグ優勝に導いた経歴を持つ。「いてまえ打線」の異名で圧倒的な攻撃力だった大阪近鉄と、ダルビッシュ有を中心に、リーグトップのチーム防御率に加え、チーム打率もリーグ1位でバランスのよい布陣だった北海道日本ハムと、全く違ったタイプのチームで2度、パ・リーグを制した。

 大阪近鉄での5年間でAクラスが3度、北海道日本ハムの4年間でもクライマックスシリーズ出場が3度の手腕は、名将と呼ぶべき存在だ。楽天の監督になって1年目の昨季は、5位に終わった梨田監督。ドラフト1位ルーキーのオコエの起用法や、会見でのダジャレばかりが目立つ1年目だったが、2年目の今季は、開幕から「名将」らしい思い切った選手起用で好スタートを切っている。思えば初めて監督に就任した大阪近鉄でも、1年目は最下位に終わっている。そこから1年でリーグ優勝を成し遂げた手腕が、東北の地でも発揮されるのか。野球の常識を覆す、梨田楽天から目が離せない。

(※打率などの成績は5月2日の試合終了時点)