川本佐奈恵(かわもと・さなえ)/英会話教室「English Time!」代表。NHK語学講座で徹底的に学び、英会話を習得。NPO法人TOKYO FREE GUIDE理事長。英語の普及に努める(撮影/家老芳美)
川本佐奈恵(かわもと・さなえ)/英会話教室「English Time!」代表。NHK語学講座で徹底的に学び、英会話を習得。NPO法人TOKYO FREE GUIDE理事長。英語の普及に努める(撮影/家老芳美)

 ラジオ講座だけで、英語をマスターすることは可能なのか。海外留学の経験もなく、30歳を過ぎてからNHK語学講座を使って独学で勉強し、英会話教室を開くまでになった川本佐奈恵さんが、現在発売中の『AERA English 2017 Spring& Summer』(朝日新聞出版)でそのコツを伝授している。そのなかから、8つのポイントをお届けする。

■ CHECK 1 ■ 2段階上の番組を選ぶ
 NHKの語学講座には豊富なラインナップがそろっている。初めて取り組む人ほど、どれを選んだらいいのか迷ってしまう。川本さんは「自分がこれくらいと思うレベルより、2段階上の講座を選んで」とアドバイスする。日本人は自分の実力を謙虚に見積もりがち。学生時代に英語を勉強している日本人に足りないのは、文法や単語力より、口から英語の音を出すこと。その練習のためには、「私にできるかな?」と思うレベルのほうが、じつは合っているのだそうだ。「ベーシックな講座なら、私も取り組んだ『ラジオ英会話』がおすすめです。少しハードルが高いほうがチャレンジ精神が刺激され、続きやすいんですよ」

■ CHECK 2 ■ テキストは電子書籍より紙
英会話のレッスンにテキスト(販売・NHK出版)は必須。「電子書籍も出ていますが、私は紙のほうをおすすめします。書き込みができて、ノートとしても使えるからです」

 音の強弱を波線で表したり、息継ぎのポイントに斜線を入れたり、番組の音声を聞きながら、発音のポイントをどんどん書き込もう。使う記号など、書き方は自己流でかまわない。

■ CHECK 3 ■ 放送を生活の中に組み込む
 NHKの語学講座は再放送やストリーミング、専用アプリもあるが、川本さんは朝の放送の聴取をすすめる。

「その日の講座は当日中にレッスンしたほうがいいからです。朝、聞きながら、テキストにポイントを書き込みます。日中は時間を見つけて、録音を繰り返し聞き、まねしましょう。その時間の確保のためにも、朝一番の放送がいいのです」

 朝のライブ放送を聞き逃さないという気持ちは緊張感を生むので、勉強の習慣化にも役立つという。

■ CHECK 4 ■ 1日1講座に集中!
 あれもこれもと複数の講座に手を出すのは、続かない原因になる。鉄則は1日1講座を勉強すること。

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