超高齢社会に突入し、患者が増加している眼科。今後、白内障手術など外科手術も増えることが予想されるが、そもそも「眼科医」とはいったいどんな仕事の内容なのか。医学部志望生向けのアエラムック『AERA Premium 医者・医学部がわかる』では「診療科別仕事図鑑」として、現役の医師に「眼科医」の仕事内容を聞いた。
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目は、直径わずか約24ミリだが、ヒトは目を通して情報の8割を得ており、極めて重要な器官だ。目の障害は加齢に伴うものが多いため、超高齢社会を迎えて、眼科医の需要は急増している。
眼科疾患は幅広いが、眼科医の仕事は、内科系と外科系に大別される。内科系として、緑内障は、適切な薬によって眼圧を下げ、進行しないようとどめる治療が主流である。眼鏡やコンタクトレンズの処方という仕事もある。
一方、外科系として白内障は、水晶体を人工レンズに交換する手術が主体。さらに21世紀に入り、水晶体の後方にある硝子体の中も手術ができるようになって、外科系の役割が増している。
東京医科大学八王子医療センター教授の志村雅彦医師も、顕微鏡を通じた微細な硝子体手術を得意としており、神経組織である網膜の診療を専門に据えている。志村医師は「眼科医の最大の魅力は、結果がすぐに分かること。患者さんも『見えるようになった』ことはすぐ実感できるので、感謝してもらえます」と語る。
患者の訴えは「見えない」ことが主だが、その中身は実にさまざまだ。失明から、視力の低下、さらには、もやがかかったように見える、歪んで見える、視野が狭まることもある。視力検査を基本にして、眼底検査や眼圧の測定、近年は、眼底三次元画像解析(OCT)検査なども駆使して、見え方の異常の原因がどこにあるのかを突き止めていく。
眼科医には、角膜、水晶体、網膜硝子体、緑内障、視神経などの専門があり、ごく稀だが目の腫瘍の専門家もいる。