極め付きはシーズン土壇場のアトランタ・ホークス戦で第4Qに26点リードをひっくり返され屈辱の大逆転負け。誰もが信じた東カンファレンストップの予想も、第2シードでのプレーオフとなり、先行きが怪しくなっている。

 弱点は平均107.2失点のディフェンスと、払拭ができていないスタートと控えのレベルの差だろう。タイトなスケジュールと激しいプレーが続く中で、ビッグ3がフルスロットルで戦い切れるのかは疑問が残る。1回戦はシーズン最終戦でプレーオフに滑り込んだ第7シードのインディアナ・ペイサーズと対戦するが油断は禁物だ。一度流れが傾くと修正が難しくなるのがプレーオフだけに、シーズン終盤の戦いぶりだとこのシリーズはアップセットの可能性もある。

 そんななか、第1シードを手にしたのが古豪ボストン・セルティックスである。175センチと非常に小柄だが、「史上最小低身長のMVP誕生」を思わせる活躍を見せた司令塔のアイザイア・トーマスを中心に飛躍のシーズンを過ごした。第4Qでのトーマスのプレーは「トーマス・タイム」と呼ばれ、クラッチタイムで決められるハートの強さと勝負勘はプレーオフでこそ必要となる。接戦になればセルティックスにかなりの分があるだろう。

 このほか、注目したいのがミルウォーキー・バックスの「The Greek Freak(ギリシャの変わり種)」こと、ヤニス・アデトクンボ。オールスターで先発を務めた若きエースで、ズバ抜けた身体能力は度々ファンの度肝を抜き、攻守の核としてバックスを支えた。今季は史上初めて得点、リバウンド、アシスト、スティール、ブロックの5部門で20位以内となった次世代スターは、まだ22歳で発展途上とも言われる。バックスがプレーオフを勝ち抜くことは厳しいが、アデトクンボが要チェックプレーヤーであることは間違いない。

 さて、東カンファレンス決勝の顔ぶれだが、キャバリアーズとセルティックスが勝ち上がるという予想が大方を占めている。チームの勢いとまとまりを見ると、今季はセルティックスにやや分がありそうだ。(文・田村一人)