マンガのいいところは、繰り返し読むのが簡単なところです。活字だけの本を読み終えて、また最初からやろうとは思えないですよね。5回6回と繰り返し読むことができれば、スルメみたいに味わえるんじゃないかなと思います。

■流行している服は着せない

――会場の皆さまから、石川先生への質問です。「女のコのキャラクターをかわいく描くときのポイントを教えてもらえませんか」。

石川:たまに「お前の描く女はエロい」と言われます。でも、自分ではそうは思ってないんですよね。そう思っていたらエロ漫画を描いていただろうと思います。モデルもいないしコツもない。どうしてこうなったのか自分でもわからないです(笑)

岩田:キャラクターの着ている服がすごく凝っていませんか?

石川:「もやしもん」の時は、「流行している服は着せない」って決めていたんです。5年後に読んだとき、ああ昔の漫画だと思われないように、そういう経年劣化を防ごうと思って。だからボンテージとか白衣とかゴスロリとか定番の服を着せるようにしていたんです。「惑わない星」では、星それぞれの特徴が描ければいいと思ってデザインしました。でも、天王星とか海王星とか、まぁ情報がなくて。オッサンの絵が描きやすいです(笑)。

――続いて「最近飲んでおいしかったお酒はありますか?」という質問です。

岩田:僕はワインが好きで、実は、ソムリエ協会認定のワインエキスパートなんです。

会場:(おお~っ)

岩田:でしょ(笑)。で、前からずっとやりたかった「メドックマラソン」を走ったんですよ。フランス・ボルドー地方で、ワイナリーを巡ってワインを飲みながら走るっていう、なんじゃそりゃなマラソン企画です。フランスだったら「もやしもん」にも出てきたブルゴーニュのワインが好きなんですけど、その時はボルドーにハマりましたね。肝心のマラソンはというと、地獄の苦しみでした。アルコール燃料ってよくないですね(笑)

――続いて「マンガ家志望です。石川先生の描くかすれるような細かい線に憧れがあります。ですが思うように描けません。コツなどありましたら教えていただけないでしょうか」との質問です。

石川:めんどくさいですよ~? あんなシャーシャーやるの(笑)。僕はいまだにデジタルとか使ってなくて、細い「ペン先」に墨汁を付けて描くんです。でもデジタルにしていったほうがいいと思いますよ。とりあえずタブレットを買いましょう。

来場者:それでは解決してないですよ(笑)。アナログでの答えが欲しいんだと思います。

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