ユーベのエースFWディバラはアルゼンチンの同胞、メッシについて賞賛。敵意以上に尊敬のある者同士の対戦となるだろう。同胞対決が各所で発生か。ネイマールはダニ・アウベス、ラキティッチはマンジュキッチ、マスチェラーノはイグアイン……。その意地のぶつかり合いは見物だ。

 勝負のキーマンを1人挙げるなら、バルサのFWルイス・スアレスだろうか。ゴールゲッターとして、覇気が漲っている。顔ぶれは変わっているが、2年前のCL決勝でも決勝点を記録。たとえ得点できなくても、彼のボールファイトは敵DFを疲弊させるはずだ。

「MSNを個人で止められる選手はいないよ。たとえユーベのDFでも。チームとして制することができるか、になる。バルサは真の王者で、パリSG戦でそれを証明した。試合が終わるまで諦めない。我々も、それは同じだ」

 ユーベの英雄的選手だったアレッサンドロ・デルピエロの見解である。1レグは序章に過ぎないが、その後の局面を大きく左右もするだろう。そしてこの試合、パリSG対バルサと同じポーランド人主審シュモン・マルシニアクが笛を吹く予定だ。

小宮良之
1972年生まれ。スポーツライター。01~06年までバルセロナを拠点に活動、帰国後は戦うアスリートの実像に迫る。代表作に「導かれし者」(角川文庫)、「アンチ・ドロップアウト」3部作(集英社)、「おれは最後に笑う」(東邦出版)など。3月にシリーズ第6弾となる「選ばれし者への挑戦状」(東邦出版)を刊行。