【パ・リーグ投手部門】
松井裕樹(楽天)

 開幕2連勝を飾った和田毅(ソフトバンク)、ウルフ(西武)の2人に154球の熱投で今季完封一番乗りを果たした西勇輝(オリックス)など、多くの候補者がいたが、その中で開幕から首位を快走する楽天の守護神を推したい。

 WBCでは3試合に救援登板して2回2/3を無安打無失点、5奪三振だった21歳左腕。ぶっつけ本番でのペナントレース開幕で疲労やNPB球への対応が危惧されたが、そんな心配もなんのその。3月31日の開幕・オリックス戦(京セラドーム大阪)の同点で迎えた9回から今季初登板を果たして2イニングを無安打無失点に抑えて勝ち投手となると、4月2日の開幕第3戦では1点リードの9回に登板し、三者凡退に仕留めて今季初セーブをマークした。

 その後も、4月4、6日のソフトバンク戦(Koboパーク宮城)、4月8、9日のロッテ戦(ZOZOマリン)と好投。チームが開幕8戦で7勝を挙げる中、松井裕は6試合に登板して計7イニングで被安打2、与四球3、奪三振10で無失点。1勝4セーブで防御率0.00の好成績を残した。世界の大舞台を経験して精神的にもひと回り成長した姿を見せている、

【パ・リーグ打者部門】
ペゲーロ(楽天)

 開幕8試合で7勝1敗と首位を快走するチームの中で、不動の「2番・ライト」として先発出場。27打数10安打の打率.370、3本塁打、10打点をマークした。

 特筆すべきは、その勝負強さ。ここまで得点圏打率.444をマークするとともに3本のアーチがすべて決勝弾。3月31日のオリックスとの開幕戦(京セラドーム大阪)の延長11回にオリックス・澤田圭佑から値千金の勝ち越し2ランを放つと、4月2日のオリックス戦(京セラドーム大阪)では守護神・平野佳寿からセンターへ逆転2ラン。そして6日のソフトバンク戦(Koboパーク宮城)ではバンデンハークからライトへ先制および決勝弾となる3号2ランを放った。

 昨季は7月の途中来日から51試合に出場して打率.279、10本塁打、26打点をマークしたドミニカ共和国出身のスラッガー。開幕から2年目の進化を見せている男が、“2番最強論”を再熱させている。