長いシーズンでは打たれることもある。防御率でア・リーグ3位に入った昨季の田中は、試合ごとのリカバリーの上手さも特筆すべきものがあった。

 昨年6月29日のレンジャーズ戦では6回6失点と打ち込まれたが、続く7月5日のホワイトソックス戦では7回2/3を無失点。8月2日のメッツ戦では6回1/3で8安打7失点(自責点は6)も、8月7日にはア・リーグを制することになるインディアンスを6回0/3を投げて1失点に封じた。このインディアンス戦を含め、昨季最後の9戦では7勝0敗、9試合中7戦で2失点以下と見事に1年を締めくくったのは記憶に新しい。

 もちろん、だからと言って今回もすぐに修正できるとは限らない。しかし、不調のゲームを続けないのもエースと呼ばれる投手の条件。心に期するものがあるだろう4月8日のオリオールズ戦では、本領発揮する可能性は高いのではないか。
 
 逆に言えば、ここでらしくないピッチングを続けてしまうようであれば、今季全体に不安を述べる声が出てくるのも仕方ない。そういった意味で、開幕戦同様、あるいはそれ以上に、2017年の第2戦は今季の田中を占う意味で見逃せないゲームと言えるのかもしれない。(文・杉浦大介)