WBCで大活躍のソフトバンク・千賀滉大投手はチームの優勝に貢献できるか? (c)朝日新聞社
WBCで大活躍のソフトバンク・千賀滉大投手はチームの優勝に貢献できるか? (c)朝日新聞社

 開幕直前、新たな戦いのスタートに合わせて、パ・リーグ各球団の2017年を大予想!年始の予想からキャンプ、オープン戦を経て、評価はどう変わったのか?

【1位】福岡ソフトバンクホークス
 年明けからの調整を続ける中で改めて分かったのはソフトバンクの戦力の充実ぶりだった。WBCの影響がどう出るかということはあるが、千賀滉大、武田翔太の投手2人は若く、伸びしろがあり、内川聖一、松田宣浩のベテラン2人には疲労よりも奮起する材料を手にした。そしてデスパイネが改めて長打力を見せ付けたことで新シーズンに対する期待はさらに高まった。ドラフト1位の田中正義の調整遅れも今季の戦いには無関係。昨季終盤の負け方が気にはなるが、現状ではそれを新たなモチベーションとしてチーム一丸となっている。主力のケガ人は中継ぎのスアレスぐらい。ほぼ万全のチーム状態で開幕を迎え、スタートダッシュを決めれば、そのまま独走の気配すらある。

【2位】千葉ロッテマリーンズ
 たかがオープン戦、されどオープン戦。13勝2敗3分けの勝率.867で駆け抜けたシーズン前の戦いで評価を上げたい。最大の懸念材料だった4番・デスパイネの流出による攻撃力の低下は、オープン戦で好成績を収めたパラデス、ダフィーの新助っ人コンビで埋めることができそう。投手陣も、石川歩、涌井秀章の2枚看板に、評判通りの力を見せているドラフト1位右腕・佐々木千隼が加わり、さらに豊富な駒が揃うリリーフ陣には大きな期待が持てる。清田育宏が左肩を脱臼して調整が遅れていたが、開幕には間に合いそう。セカンドにコンバートされた鈴木大地はオープン戦打率.340と好調。“2強”に割って入ることも可能だという期待感を漂わせている。

【3位】北海道日本ハムファイターズ
 投打に戦力は整っている。若い選手も多く、その成長次第では連覇も十分に可能だ。だが、現状では充実度でソフトバンクに劣る。中田翔、レアードを擁する打線は破壊力があるが、期待の近藤健介がオープン戦打率.180と調子が上がらず、西川遥輝(同打率.222)、中島卓也(同打率.163)も低迷。陽岱鋼の代役候補だった大田泰示、淺間大基がともに故障離脱。右足首痛でWBCを辞退した大谷翔平が、DHとして自慢の長打力を如何なく発揮しているが、本来ならばエースとしても開幕からフル回転してもらいたいところだった。昨季15連勝を飾った勢いを再び掴めるかどうか。機動力を含めた戦略の柔軟性はあるが、開幕を前に不安の方が少し高まったことも事実だ。

次のページ