就任以来4年間で3度、チームをAクラスに導いている伊東勤監督(左)。今年は昨季以上の成績を残せるか。=2016年5月10日、伊藤雅哉撮影 (c)朝日新聞社
就任以来4年間で3度、チームをAクラスに導いている伊東勤監督(左)。今年は昨季以上の成績を残せるか。=2016年5月10日、伊藤雅哉撮影 (c)朝日新聞社

 野球ファンの注目が侍ジャパンに集まる中、オープン戦で密かに好調なのが千葉ロッテだ。3月19日現在、13試合で10勝1敗2分と勝率は9割を超え、チーム防御率も1.32と12球団で唯一、1点台を記録している。

 昨季は3位に入り、クライマックスシリーズ(CS)に進出した。2年連続のAクラスはチームでは31年ぶりの快挙だったが、首位の北海道日本ハムとは15ゲーム差、2位の福岡ソフトバンクにも12.5ゲームも離され、CSでも2連敗と完敗だった。今季もパ・リーグは2強の様相が強いが、就任以来4年間で3度、チームをAクラスに導いている伊東勤監督のもと、いかなる戦いを見せるか。

 昨季からの一番の大きな変化が、打線の中軸だったデスパイネがソフトバンクに移籍したことだ。昨季はチーム本塁打が80本と破壊力が今ひとつだった打線のなかで、24本塁打、92打点を記録した主砲の流出は、チームにとって大きな痛手となった。デスパイネに代わる4番候補として獲得されたのが、新外国人のパラデスとダフィーだ。パラデスはドミニカ共和国出身のスイッチヒッターで、2015年にはボルティモア・オリオールズで104試合に出場して打率.275、10本塁打を記録している。ダフィーはメジャーでは2年間で11試合のみの出場だが、マイナーでは昨季14本塁打、52打点をマークするなど、5年連続で2ケタ本塁打を記録している。オープン戦では、パラデスが12試合で打率.325、1本塁打、5打点、ダフィーは11試合で打率.303、3本塁打、13打点と好調で、このままいけば開幕戦のスタメンには、2人の名前がクリーンアップに並ぶことになりそうだ。

 打線では昨季、主に遊撃手として全試合でスタメン出場を果たした鈴木大地の二塁手へのコンバートが決まり、空いたポジションを中村奨吾と平沢大河が争っている。外野陣も、昨季首位打者の角中勝也に清田育宏、岡田幸文に加えて加藤翔平、荻野貴司、伊志嶺翔大らが熾烈な定位置争いを繰り広げており、主砲の穴を埋めるべく、野手陣の競争が激化している。

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