「やることリスト」は、ホワイトボードに「(1)その日やる内容」「(2)締め切り」「(3)やったあとのご褒美」を書くようにします。

「この3点が見えていると子どものなかに心積もりができ、『締め切りに向かってやりとげれば、楽しいことが待っている』とやる気が出てきます。ただ、この時気をつけたいのがご褒美の内容。『アニメを見る』『ゲームをする』など普段楽しみにしていることがおすすめですが、お金や物など新たに発生するものは、それ自体が目的になってしまうためNGです」(親野先生)

「模擬時計」は「宿題を始める時間」「夕ご飯の時間」「寝る時間」などが分かる時計の絵を画用紙で作り、アナログ時計の横に貼るもの。その時間を目にすることで、次にやるべきことを意識できるようになります。デジタル時計よりも、アナログの方が「開始まであと20分」と時間を視覚的に判断しやすいのでおすすめです。
 
「また、箱を使って宿題を取組みやすくするのも、勉強のハードルを下げる方法のひとつとして有効です」(親野先生)

 まず、学校から帰ったらカバンの中身を箱に出し、宿題ややるべき勉強を机やテーブルに出しておく。たとえ遊びに行ったとしても、帰宅後にそれらがすぐ目に入ることで「今日はこれをやらないといけない」と思うことが大切なのです。

 次のステップとして、その日の宿題のページを開いておく。ここで遊びに出てもいいのですが、もしできるなら1問だけ解いてから遊びに出ましょう。1問解くことで「残り」を把握できるので、帰宅後の宿題がイメージできます。目の前に宿題があることでアクションも起こしやすく、抵抗なく取り掛かれます。

 自分から勉強に取り組み、勉強道具を片付けて、と何でも自分から動けるようになるにはこうした毎日の繰り返しが積み重なって実現するものなのかもしれません。いちばん大切なのは、子どもの様子を見て、勉強しやすい状況かどうかを子どもの言動から察して一緒に考えたりアイデアを出したりしていくこと。この姿勢を心がけていれば、子どもの勉強に対する前向きな気持ちは必ず養われていくような気がします。

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2017年 04月号 [雑誌]

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AERA dot.編集部
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