だがその一方で不安も感じた。終盤に5失点を喫した投手陣である。2イニング連続で三者凡退の好投を見せていた2番手・則本昂大が、3イニング目となった7回にデスパイネに強烈な一発を浴びると、そこからさらに3連打を許して計3失点。3番手の岡田俊哉は打者一人を三振に仕留めたが、4番手以降の平野佳寿、秋吉亮が8回に相手打線に捕まって2失点。最終回に登板した牧田和久も、辛うじて無失点に抑えたが、いきなり連打を許し、さらに四球で満塁のピンチを背負った。

 この日は点差が開いていたために大きな問題にはならなかったが、1点を争う戦いとなった場合は救援陣の崩壊は致命傷になる。小久保ジャパンにとっては、あのプレミア12の悪夢もよぎる。「今後に向けて修正していかないといけない点」と話した小久保監督。「独特の雰囲気の中での初登板でしたから」と中継ぎ陣をかばうとともに、今後に向けて「切り替えてもらいたい」と話したが、果たして指揮官の思い通りになるか。

 そもそも大会開幕前、小久保監督は「そう多くの得点は取れない」、「ピッチャー陣はかなり手応えがある」、「投手陣を前面に出して戦いたい」と語っていたが、初戦のキューバ戦はその思惑がことごとく外れた形での勝利となった。この“ズレ”が今後の戦いにどう影響するのか。キューバを下したことで1次ラウンドはほぼ間違いなく突破できるだろうが、2次ラウンド以降への戦いへ向けて“課題”を改善し、自分たちの“強さ”をもう一度見つめ直す必要があるだろう。