中国化が進む香港で“香港”が生き残っている場所 <下川裕治のどこへと訊かれて>

連載「どこへと訊かれて」

 さまざまな思いを抱く人々が行き交う空港や駅。バックパッカーの神様とも呼ばれる、旅行作家・下川裕治氏が、世界の空港や駅を通して見た国と人と時代。下川版「世界の空港・駅から」。第22回は香港国際空港から。

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 日本とアジアを行き来することが多いから、僕はさまざまな空港を使う。世界というのは、いささかオーバーだろうか。アジアに絞れば、いちばんストレスのない空港……といってもいい気がする。

 香港国際空港である。

 利用しやすい空港として韓国の仁川国際航空を挙げる人もいるだろう。大韓航空とアシアナ航空を使う分には確かに楽だが、それ以外の航空会社を利用すると、評価はぐっとさがってしまう気がする。

 香港国際航空のよさは、乗り継ぎのわかりやすさや早さをいちばんに考えていることだと思う。乗り継ぎがスムーズにいくことが、空港の評価を高めると考えているのだろう。

 乗り継ぎ時間は空港によって決まっているが、実際の所要時間は少し違う。一度、成田空港から香港経由でバンコクに向かったことがあった。出発に手間どり、30分遅れで香港に着いた。乗り継ぐバンコク行きの出発まで35分しかなかった。

 飛行機を降りると、女性の職員が待っていた。バンコク行きに乗る次ぐ客が全員集められ、最短距離で搭乗口に向かう。一般客が知らない通路を通った。そしてバンコク行きが出発する5分前には、飛行機の座席に座っていた。この間に荷物の積み替えも終えていた。

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