平昌五輪でのメダル候補でもある宇野昌磨は、札幌アジア大会の注目選手のひとり。(写真:Getty Images)
平昌五輪でのメダル候補でもある宇野昌磨は、札幌アジア大会の注目選手のひとり。(写真:Getty Images)

 1年後に迫った平昌五輪で活躍が期待される日本の選手たちが、札幌でその力を見せる。

 2月19日から26日にかけて、第8回アジア冬季競技大会が北海道・札幌市を中心に開催される。今季好調な戦いぶりを見せている日本の選手たちにとって、自国開催ならではの大声援の中、平昌へ向け弾みをつける大会になりそうだ。

 23日から26日まで行われるフィギュアスケートで注目されるのは、男子シングルの宇野昌磨。昨年末のグランプリファイナルで2年連続の表彰台入りを果たすと、続く全日本選手権では初優勝を飾るなど、羽生結弦を猛追する存在として注目を集めている。

 昨季の終わりに世界で初めて成功させた4回転フリップに加え、今季はエキシビションなどで4回転ループにも挑戦してきた。今後は4回転ループを試合でも跳ぶことを明言し、意欲的に演技の難易度を上げている。また、常にジャンプだけでなく表現も磨いていく意志を口にしている宇野のプログラムでは、芸術面にも注目したい。

 宇野は現在、平昌五輪のプレ大会である四大陸選手権(2月15日 ~ 19日、韓国・江陵)にも出場しており、10日間で二つの大会に出場する強行日程をこなすことになる。宇野自身、「一番大事にしたいのは、連戦で怪我をしないこと。シーズン後半の疲れがたまって、すごく怪我をしやすい時期だとも思うので、とりあえず怪我だけには気をつけて……あとは自分のベストなコンディションでベストなパフォーマンスができればいいかなと思っています」と話している。今季を迎えるにあたって、宇野は体力強化に力を入れてきており、この2連戦はその成果を見せる機会ともいえる。羽生が出場しないこの大会で、日本男子の強さを見せたいところだ。

 また今季好成績を挙げている女子スピードスケートも要注目だ。500メートル(21日)と1000メートル(20日)に出場する小平奈緒は、五輪のテスト大会として行われた世界距離別選手権(2月9 ~12日、韓国・江陵)でその力を見せつけた。

 500メートルでは日本記録を更新し、個人種目では日本女子として初めての優勝を果たすと、1000メートルでも銀メダルを獲得。今季はワールドカップでも出場した6戦すべてで優勝している小平は「アジア大会でもコンスタントに良い成績を残せるように頑張りたい」と意気込んでおり、札幌でも強さを見せてくれそうだ。

 また女子チームパシュート(21日)には高木美帆・その姉である菜那・押切美沙紀が出場。前述の世界距離別選手権ではこの3人で銀メダルを獲得した。同大会で優勝した強豪オランダが不在のアジア大会では、優勝候補の筆頭として期待される。(文・沢田聡子)