WBCで主力として活躍が期待される李大浩(写真:Getty Images)
WBCで主力として活躍が期待される李大浩(写真:Getty Images)

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の過去3大会で準優勝1回、ベスト4が1回の実績を誇り、2015年に行われた第1回プレミア12では、記念すべき初代王者となった韓国代表。今回で最後とも噂されるWBCで、悲願の初優勝を目指すが、侍ジャパンと同様に、メジャーリーガーの出場辞退が相次ぎ、戦力的にはやや苦しい状況となっている。

 MLB公式サイトでは、台湾(チャイニーズ・タイペイ)、オランダ、イスラエルと同組となったA組の本命とされ、フルラインナップで挑むことができれば、その先も勝ち進むことが可能、と予想された韓国。しかし、メジャーリーガーの参戦は、元阪神で昨年はカージナルスでプレーした呉昇桓のみで、ベストメンバーとは、ほど遠いチーム編成となった。

 昨年11月の時点では、韓国史上最高の打者と言われた秋信守(レンジャーズ)や、昨年パイレーツで21本塁打を記録した姜正浩、プレミア12でMVPに輝いた金賢洙(オリオールズ)などが、代表に名を連ねていたが、年明けから相次いでメンバーから外れることが発表された。逆に昨季、カージナルスで76試合に登板し、防御率1.92、19セーブを記録した呉昇桓は、11月の時点では代表メンバーから外れていたが、1月11日に代表入りが発表され、今大会に参加する唯一のメジャーリーガーとなった。

 国内組でも、最速155キロを誇る本格左腕で、プレミア12では決勝戦のアメリカ戦に先発した金廣絃がヒジの手術の影響で代表を辞退しており、投打ともに飛車角落ちの感が強い。

 2月6日に発表された最終メンバーを見渡すと、日本でプレーした2人の野手が目に付く。日本ではオリックス、福岡ソフトバンクでプレーし、昨年はマリナーズで14本塁打を記録した李大浩は、今季から韓国のロッテ・ジャイアンツへの復帰が決まっている。メジャーの肩書きは失ったが、これまでの実績を考えても、打線の中心的存在となりそうだ。

 もう一人、2010年から2年間、千葉ロッテでプレーした金泰均も代表入りを果たした。韓国球界復帰後も、ハンファ・イーグルスで主力打者として活躍する金泰均は、昨年も打率.365、23本塁打と強打は健在だ。

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