昨年「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」が世界中で話題となり、一躍時の人となったピコ太郎。その人気を支えたものとは? 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、朝日新聞文化くらし報道部・江戸川夏樹さんの解説を紹介しよう。

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 ヒョウ柄のマフラーを巻いたパンチパーマの日本人のおじさん「ピコ太郎」が全世界で注目を集めている。鍵は「ものまね動画」にあるようだ。

「ペン」「アップル」「パイナップル」のほぼ3語だけで歌い踊る動画「PPAP ペンパイナッポーアッポーペン」が2016年8月にユーチューブで公開されると、アメリカ・ビルボード(※注)のシングルチャート(10月18日発表)で77位になった。日本人では、26年ぶりだ。

 当時、CDを発売していたわけでもないのになぜ? 理由はビルボードの集計方法が「売れている曲」ではなく、「受けている曲」へと変わったからだ。かつては、CDの売り上げなどで集計していたが、13年からユーチューブや有料の聞き放題サービスでの再生回数も評価の指標に入れた。

 とはいえ、なぜピコ太郎が話題を呼んだのか。火付け役は、ツイッターで現在9千万人のフォロワーを持つ世界で人気のカナダ人の歌手ジャスティン・ビーバーだ。彼が「一番大好きなビデオ」と紹介すると、またたくまに再生回数が伸びた。

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AERA dot.編集部
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