それでも巨人では主将に就任し、2年連続でリーグ優勝を逃したこともあり「まだまだ未熟だと感じる」という坂本だが、その発言内容は明らかに変化が見られ、重責への自覚が感じられる。前主将の阿部も「昨年は成績で十分にチームを引っ張った」と、その働きを評価している。

 侍ジャパンでは、現在は主将制を廃止しているが、小久保裕紀監督は就任当初から、坂本を主将候補に考えていたという。2日に巨人の宮崎キャンプを視察した際も、小久保監督は坂本に、打撃の軸としての期待を伝えた。

 坂本は、打線の核としてだけでなく、遊撃守備では内野の要として期待される。年齢以上に豊富な経験は、それぞれのチームで精神的支柱としての役割も期待できる。

 坂本と同期の88年世代である田中将大や前田健太は、WBCでも活躍し、すでに世界の舞台で躍動している。投手ばかりが目立つ同世代で、常に野手の先頭を走り続けてきた坂本。これまでの悔しい思いを、今年は一気に晴らす絶好の機会になる。“奪還”を狙う巨人でも、侍ジャパンでも、キーマンとなるのは、間違いなくこの男だ。