「50球以上投げた投手は次の登板まで中4日、30球以上または2連投した投手は中1日を空ける」というルールもある以上、2試合連続ではブルペンがフル回転できない。球数制限が95球となる決勝ラウンドでは先発投手のパフォーマンスが勝敗を大きく左右し、優勝するためには絶対に必要な部分である。

 先発の1番手は菅野。「あまり大きなプレッシャーをかけたくはないですけど、当然彼が軸になるのは間違いない。彼にも自覚がありますし、彼を中心に回って行くのは間違いない」小久保監督は言う。だが、優勝するためには軸は2本いるのだ。菅野に大きな重圧をかけるとともに、もう一人の軸を2月末からの強化試合・壮行試合5試合の中で定めなくてはならない。まずはチームとしての形、戦い方を決めた中で前もって登板日を決めた方が、投手も集中できるはずだ。

 チームの軸だった大谷の離脱は大きな打撃だが、一つ言えることは、選手選考は監督の大きな仕事ではあるものの、それが目的ではないということ。求めるものは、試合に勝つこと、そして再び世界一になること。「大谷ジャパン」ではなく「小久保ジャパン」なのだ。例えエースだとしても、選手が一人欠けたぐらいで足元が揺らいでいるようでは、そもそも世界一などにはなれない。チームの団結力、小久保監督の指揮官としての能力、そして日本の野球国力が改めて問われることになる。