ただし、本に掲載されている写真は公的に撮影されたもののみ。一部の写真週刊誌などが撮影したプライベートなものは含まれていない。たとえば、2015年にフライデーが掲載して物議を醸したタンクトップ姿の写真などだ。

●編集者が選ぶ佳子さまのベストショットとは?

 155点もの写真のなかで、一押しの一枚はどれか? 大賀さんにそう尋ねると、一段はずんだ声で「本当にお気に入りの一枚があるんです」と教えてくれた。

 それは本の4ページ目に掲載された空色のドレスをお召しの佳子さま。2016年10月・ベルギーの国王夫妻を迎えた晩餐会でのお姿だ(写真参照)。

「この写真を見たとき、『本当に“プリンセス”と呼ぶにふさわしい方だ』と思ったんです。ロングドレスにティアラを召された王道のプリンセススタイル。凛とした表情と気品ある佇まいが素晴らしく、我を忘れてしばらく見入ってしまいました。実は、佳子さまが青系のドレスを召されるのは極めて珍しいこと。これまでの公務では黄色やピンク系などのかわいらしい色が多かったのです。成年皇族として新たな一歩を踏み出された佳子さまを象徴する写真として、とても価値あるものだと思っています」(大賀さん)

 熱を込めて語る大賀さんの表情からは、佳子さまへの慕情が伝わってくる。『麗しの佳子さま』の製作には3カ月を要したというが、その間、佳子さまについて考え抜いてきた大賀さんが思う「佳子さまの魅力」とは何か。

「やはり、一言でいうのは難しいです。真っ先に思うのはすごく芯の強い方だということ。たとえば、ご自分の意志で学習院大学を中退され、国際基督教大学に進学されました。公人としての立場がありますし、とてもプレッシャーがかかるご決断だったと思いますが、ご自分の夢を諦めずに達成された。こうした芯の強さがその美しさにもつながっているのではないでしょうか」(大賀さん)

 また、「親しみやすさ」も佳子さまの大きな魅力だという。

「印象的だったのが、成年を迎えられた際のお言葉で、ご自身の性格を『すごく短気』と評されたこと。皇族の方がご自身をそのように語るのは稀有なことだと思います。プリンセスとしての気品をお持ちになりながらも、率直で飾らない振る舞いをされていて、佳子さまはとても親しみやすい雰囲気があります。これも多くの人から慕われる理由ではないでしょうか」(大賀さん)

 本をつくるときは「ためになって、楽しくて、『これ欲しかった!』といってもらえるものを心がけています」と語る大賀さん。佳子さまの22年間を網羅した『麗しの佳子さま 成年皇族のご足跡』は、まさに多くの佳子さまファンにとって「これ欲しかった!」といえる一冊だ。(ライター・小神野真弘)