W杯「出場枠拡大」で日本サッカーが“衰退”する可能性…その理由は?

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 日本サッカーの近未来に少なからず影響を及ぼすことになるだろう。FIFA(国際サッカー連盟)の「拡大路線」が、それだ。

 1月10日、スイス・チューリヒで開催された理事会において、ワールドカップ(W杯)の出場枠を現行の32カ国から、48カ国へ拡大することが決まった。実施されるのは2026年大会から。9年後のことだ。

 現行の方式では、32カ国が4カ国ずつ8つのグループに分かれ、各グループの上位2カ国(計16カ国)が決勝トーナメントに進む。これが、2026年大会からは48カ国が3カ国ずつ16のグループに分かれた1次リーグを行ない、各グループの上位2カ国(計32カ国)が決勝トーナメントへ進む方式へ変更される見通しだ。

 大会全体の試合数は64から80へ増えるが、1カ国の最大試合数(7試合)は変わらず、大会期間も現行方式の32日間で消化できるという。FIFAのジャンニ・インファンティノ会長が拡大路線の意義として強調した「フットボールのグローバルな発展」という“建前”の裏に「破格の収益増」という“本音”が透けて見える。

 ヨーロッパ方面からは大会のレベルダウン(クオリティーの低下)への懸念の声も聞こえてくる。もっとも、1970年代の後半から露骨な商業主義へと転じた巨大組織(FIFA)にとっての一大事は、質より金――といったところか。

 肝心の大陸連盟ごとに割り当てられる出場枠の詳細については、5月9日の理事会以降に話し合われる見込みだ。一部、アジアの出場枠を現在の「4・5」から「8・5」に増やす方向で調整中と報じる海外のメディアもあったが、その信憑性はどうあれ、チャイナマネー(中国)やオイルマネー(UAEなどの中東勢)に魅せられるFIFAが「アジア枠の優遇」を企んでも何ら不思議はない。

 そこで日本サッカーに及ぼす影響である。出場枠が倍近くなることでアジア予選を突破しやすくなるのはいいが、それゆえに予選自体の興味が削がれる恐れもある。十中八九、出場権が手に入る予定調和の筋書きでは、勝負事に特有のスリルを求めにくい。そうなると「結果がすべて」の予選で、内容も厳しく問われることになるかもしれない。結果だけでは、観る側が満足しなくなる可能性があるからだ。

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